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【第72回独立書展】
勝手にRecommend Choice 〜Vol.1〜

先日開幕した独立書展。
ここに展示されている全作品(1869点)の中から
勝手に気に入った作品をご紹介。

畏れ多くも大先輩などの作品もありますが
たくさんの人に
独立の書表現や思想の一端が伝わることを願い
生意気ながら身勝手な感想を。
ほんの少しでも
作品鑑賞の手助けになりましたら
嬉しい限りです。

pic.1
『八方睨(はっぽうにらみ)』知見侑紀作

まくりの状態での審査の際に一目みて圧倒された。そしてすぐに、この撰文から天龍寺の天井絵(加山又三)を思い描いた。
作品の真正面に立つと、何か大きなものに飲み込まれそうな妙な怖さを感じる。スケール大な世界が広がり、やや遠目に見てもやはり大きな眼光で周囲に睨みを効かしているようでもある。

YOASOBIの曲が小説からのオマージュで曲が作られていることがだいぶ前に話題となっていた。この大作も、ある作品からの着想を得て新たな作品が生まれている。画面全体としては、「八」の中の白は、さらに広く残すことでもっと大きな世界を呑み込む事ができたのではないだろうか。

pic.2
『井伏鱒二詩 あの山 木冠忌』藤田金治作

本物の書家同志の心の交流に胸を熱くした。
これもpic.1と同じように、ある1つの文芸作品がフックになって生まれた表現。このように、書の作品とは作者の経験や感動が起点となる。作品ができる瞬間とは、本当の意味では、作者の心が大きく揺さぶられたときであると言えよう。

pic.3
『真一文字』小川呑海作

外側を囲むように配置された構図により中央に大胆に空けた余白に、「一」の起筆の飛墨が響き渡っている。また、綿密な構図に縛られる事なくずっしりとした線が作品全体を引き締めて、まっすぐな想いが貫かれている。用意と卒意のバランスが絶妙で、表具の横筋も、ポイントとなる「一」や横展開の構図を際立てている。

書作品は
音楽などと同じように、
実際の作品と対峙しないと
感じ取れないものがあります。

寒さ厳しき折ですが、
ぜひ会場にお運びいただき
生の書に触れてみてください。
ご来場を心よりお待ち致しております。

1月21日まで。
国立新美術館にて。

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81 いいね! ('24/01/17 14:00 時点)