最近葬儀の打合せをしていると、葬儀が終わっていないのにも関わらず、葬儀後のご相談をされる方が増えてきました。
先日もお話を伺っていると、「葬儀終わるまでは小林さんいてくれるから心強いけど、葬儀終わったら相談していいか分からなくて」と・・・。
一般的に葬儀社というと『葬儀』だけの担当と思われているかも知れませんが、実際には四十九日法要などの法事やお香典返しなども手配しているのです。
また1周忌や3回忌と亡くなってから丸2年経っていてもご連絡いただくことも少なくないのです。
よく驚かれるのですが、我々葬儀社に『開店祝い』や『誕生日』のお花の注文をされる方もいらっしゃるのです。
なぜなら私達葬儀社は生花店と取引していますので、実はそういうことも手配することが出来るのです。
昔から地元にある老舗葬儀社さんは葬儀で使用する鯨幕と呼ばれる白黒幕以外にお祝いの際に使われる紅白幕を持っていますし、関連業者の花輪屋さんにはお祝いの紅白の花輪もあるのです。
ひと昔前は葬儀社というと、『縁起悪い人』などと揶揄されるくらいの立場であったので、そうやって仰っていただけるとは葬儀社冥利に尽きます。
葬儀後の相談内容は?
昨今医療の進歩で、送られる方も送る方も高齢化してきています。
また核家族化している家庭も多く、お子様がいても離れて暮らしているケースも多くなってきました。
実家はあるけどご両親が他界した後に実家には住まないという選択される方も増えています。
そうした背景があり『家の片付け』をどうしたらいいか?とご相談いただきます。
これは一軒家にお住まいの方に限らず、公営住宅や賃貸物件にお住まいの方からも相談があります。
特に公営住宅や賃貸物件は契約者がお亡くなりになると〇月末で退去など1カ月~2カ月と期限がありますから、早く相談して結論を知りたいとお考えだからかと思います。
ただたくさんの思い出の詰まったご自宅や品物を片付けるには時間と覚悟が必要です。
あまりに遺品整理のご相談が多いので、これは専門的知識を勉強しなくてはと思い、先日『遺品整理士』という遺品整理業者向けの資格試験に受験いたしました。
後日合格発表は郵送されてくるということでしたが、家庭から出る一般廃棄物などの処理方法や、買取可能な遺品があった場合などのための古物、ご自宅の清掃に関わる消臭、消毒方法などが試験問題として出題されました。
テキストによると高額請求をする悪質業者も存在するということで、知識の他に心構えを学ばせていただきました。
担当したご葬儀の後にそういう目にあってしまったとしたら本当に許せません。
葬儀だけでなく、葬儀後のご相談いただける葬儀業界になっていかなくてはこういった被害はなくなりません。
葬儀社を選ぶ際の1つの基準として『葬儀後どこまで相談できるか?』が必要な時代になってきたと言っても過言ではないと思います。
著:一級葬祭ディレクター 小林大悟