
雷門通りと公園通りが交錯する角に店舗を構える尾張屋本店。
浅草に2店舗ある創業165年を超える蕎麦屋の名店である。
●毎日食べても飽きない味
尾張屋は創業165年を超える老舗ということから、
毎日通うお客様や世代を超えて食べにくるお客様も多く存在する。
お客様からの最高の誉め言葉は、
「いつ来ても変わらないね!!」
人間の味覚は、歳を取るとだんだん変わってくるという。
ただ尾張屋の常連様は、尾張屋の味を理解下さり、
毎日食べに来ていただける方も多い。
それは「先代からの味を守る!」ということにつながっている。
とはいえ、守ってばかりではいられない。
実際には、10~20年単位で少し味の変化をさせている。
守ることも重要だが、今に合わせる事も重要。
お客様に飽きを感じさせずに、「攻め」の姿勢も忘れない。

●食材へのこだわり
以前から使っているある食材はここ数年で10倍以上の価格が上がっている。
その他の食材も軒並み上がっている。
食材の質を考えなければ、販売価格を上げることなく、
食べていただくことが可能である。
それをしてしまうと、尾張屋へ来店するお客様へ「裏切り」を意味する。
だからこそ、食材は変えずに、お客様へ提供する。
天ぷらを揚げる油は、胸やけがしないように工夫したごま油。
そばは、専用粉を利用している。
●お箸とほぼ同サイズのえび天
尾張屋へ来店されるお客様の約7割が天ぷらを注文するという。
初見のお客様の多くは、店先のサンプルを見て注文されることが多い。
実際、サンプルを見てみると立派なサイズのえび天が2本ある
「えび天そば」が目につく。
筆者も気になり食してみたが、サンプルに偽りなし。
それ以上かもしれない、立派なえびが2本も
器からはみ出して乗っている。
衣がサクサクで中身はぎゅっと歯ごたえがある。
お蕎麦は、1本1本細いのに噛み応えがしっかりとしており、
濃すぎないスープと絶妙にマッチしている。
「飽きない味」
まさに尾張屋のキャッチコピーにマッチした1品である。

●鈴廣かまぼこを利用した「板わさ」を提供
鈴廣かまぼこは、弾力・歯ごたえ共に1級品。
特に11~12mmにカットして提供すると
その良さがより伝わりやすい。

●尾張屋本店
震災や空襲などで所在地を転々としていた過去はあるが、
現在の場所へ移転して70年となる。

●6代目田中さんの意気込み
30歳までは飲食店にかかわることもせず、
大手カメラメーカーのエンジニアとして働いていた。
尾張屋の直径筋ではあったが、継ぐことはない。
これも運命のいたずらなのか。
ひょんなことから次ぐことに。
全く違う業種・職種にいたからこそわかる事。
「今は老舗と呼ばれる店も店をたたんでいる時代。」
その要因の一つが人(従業員)である。
「昔と現在では、働き方が変わってきている。
老舗だからといって、それに固執すると人がいなくなってしまう。
昔の良さを継承させつつ、今の働き方を模索する事が重要である。」
老舗の火を消さない覚悟有る一言である。
【店舗情報】

(ホームページ)https://owariya-asakusa.com/