まちの仕事人インタビュー
木の花が紡ぐ、やさしい贈り物
株式会社 Lino Lino 代表取締役社長 川副 好美 (かわぞえ よしみ) さん インタビュー


株式会社Lino Linoの代表取締役社長を務める川副好美さん。2020年に個人事業としてLino Linoを創業し、2022年に法人化。東京都台東区上野桜木に、かんなフラワーアート専門店「Salon de Lino Lino」を構え、日本の木・青森ヒバを中心とした“香るアート”を製作・販売している。木の命を再び花として咲かせ、人と人をつなぐことを使命に、日々ものづくりと向き合っている。

贈られた方の笑顔を常に想像しながら製作に向き合う

今の仕事を始めたきっかけを教えてください

2019年に原宿の東郷神社で開催された、インバウンド向け和文化発信イベント「NIGHT東郷」にハンドメイド作家として参加したことが、すべての始まりです。当時、実行委員で現在の共同経営者である木下と、大工の棟梁とのコラボレーションによって、青森ヒバのかんな屑で作られた薔薇が誕生し、国内外の来賓の方へ記念品として配布しました。私はその薔薇製作の中心を担いましたが、この薔薇こそが、現在の「匠の薔薇」の原点です。さらに、青森ヒバの深く澄んだ香りに心を奪われ、より美しい花として咲かせたいという想いが強く芽生えたことが、今の仕事へとつながっています。

会社設立までの経緯を教えてください

「NIGHT東郷」終了直後、世の中はコロナ禍に突入し、イベント開催が困難な状況となりました。その中で、木下より、木でできた薔薇を製品化したいという相談を受け、試行錯誤を重ね、現在のかんなフラワーアートへと昇華させました。2020年1月には個人事業としてLino Linoを創業、社名の由来はハワイ語の「Lino(輝く・結ぶ)」にあります。2021年4月には東京都美術館で開催された第17回ベラドンナアート展に入選し、同年12月より木下も事業に参画しました。各地での催事出店や個展を重ね、2022年11月に株式会社を設立、そして2023年2月、上野桜木に「Salon de Lino Lino」を開店する運びとなりました。

会社の特徴を教えてください

弊社の特徴は、日本の木の香りや質感を生かした独自のアートを確立している点にあります。木材の調達からデザイン、製作、販売、企画に至るまで一貫して手掛けており、かんなフラワーアートの専門路面店としては日本で唯一の存在です。ものづくりの感動を共有しながら、人と人をつなぎ、日常に香りを取り入れた新しいライフスタイルを提案するとともに、日本の繊細な手仕事と自然の魅力を、国内外へ発信していくことを大切にしています。


お仕事で大切にしていることを教えてください

日々の作品作りにおいては、一切の妥協を許さず、一点一点、心を込めて真摯に向き合っています。また、ご来店くださるお客様のお声を大切にし、作品へ反映させていくことも欠かせません。何より、手にされた方、贈られた方の笑顔を常に想像しながら製作に向き合うことを、最も大切にしています。

この仕事のどんなところが好きですか?

削りたての木の香りに包まれながら、花びらを一枚一枚重ね、思い描いた通りの花が咲いた瞬間は、何ものにも代えがたい喜びです。また、お客様それぞれの想いや背景、贈る理由に寄り添い、そのストーリーを共有できることも、この仕事ならではの大きな魅力だと感じています。

香りとともに記憶に残る仕事を続けていく

今後やりたいこと等、展望を教えてください

今後はBtoCと並行して、企業様や海外向けとなるBtoBにも注力していく次第です。本年11月には香港バイヤー向けに輸出を開始し、昨年12月には台湾で開催された展示会に出店し、持参した商品全て完売しました。また、ホテル様や企業様向けのお祝い花やノベルティの提案も進めています。さらに、廃棄されてしまう家具や什器をかんなで削り、フラワーアートとして再生する取り組みも始動予定で、お子様の勉強机やご実家の家具など、思い出の詰まった品々を記憶に残るアートへと生まれ変わらせていきたいと考えています。

成功哲学を教えてください

目の前の一つひとつの作品に真摯に向き合い、誠実に積み重ねていくことが、最も大切な成功への道であると考えています。人のご縁を信じ、感謝を忘れず、香りとともに記憶に残る仕事を続けていくことが、私自身の信条です。

インタビュー後記

お店に一歩足を踏み入れた瞬間、木のやさしい香りに包まれ、気持ちまで穏やかになる不思議な空間でした。川副社長の言葉一つひとつから、ものづくりへの真っ直ぐな想いと、人へのあたたかな眼差しが強く感じられます。木を削り、花を咲かせ、香りで人をつなぐ。そのすべてが「手仕事の力」を静かに物語っていました。ここで生まれる花は、きっと贈る人と受け取る人の記憶に、長くやさしく残り続けるのだと思います。

お問い合わせ

株式会社 Lino Lino

代表取締役社長 川副 好美

〒110-0002 東京都台東区上野桜木1-10-17-101

「Salon de Lino Lino」

TEL:03-5808-9430

E-mail:info@linolino.tokyo

HP:https://www.lino-lino.com/

*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。