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債務超過でも事業売却できますか
(1年前の記事です) 掲載日:2023/05/09
都内でお土産屋3店舗を営んでいる72歳経営者です。
身内に後継者がおらず悩んでおりまして、M&Aにより意欲ある方に事業売却したいと考えております。
事業売却において気がかりなのが、コロナ禍による打撃で令和2年度から昨年度まで赤字となり、債務超過に陥ってしまったという点です。
もっとも、昨年(令和4年)末ごろから売上は回復基調にあり、このままいけば数年で債務超過状態が解消できる見込みです。
そこでお聞きしたいのですが、債務超過でも買い手は見つかるものなのでしょうか。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

買い手が見つかる可能性は十分にあります。
一般的に、買い手の立場からすると債務超過の企業は手を出しづらいです。
しかし、債務超過の理由が明らかで、現在は回復基調であり、数年(長くて4~5年)で債務超過が解消できる見込みであるなどの事情があれば、買い手が見つかる可能性は十分あるといえます。
ご相談のように、コロナ禍という外部要因による債務超過ですので、経営それ自体に問題のある債務超過ではありません。
アフターコロナでお土産のインバウンド需要も大いに見込めることや、既に業績が回復基調である点を考慮すると、債務超過であるからといって買い手がつかないということはないでしょう。
一点だけ注意してほしい点があります。
それは、コロナ禍により過去3期の決算結果が赤字であり、買い手から、その決算を前提とした安価な買収価格を提案されやすい点です。
この点は、専門家に相談するなどして、安値で買い叩かれないよう対策すべきです。
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