株式会社 T-sousai 代表取締役:足立信行

1982年11月生まれ、京都府綾部市出身。福知山成美高校、高野山大学卒。18歳で出家し、高野山真言宗総本山にて修行を積む。その後葬儀社に勤務したのち、システムエンジニアに転身するという特異すぎる経歴を持つ。2014年に「T-sousai」を設立。正しい仏教の教えとともに「正しい日本人の弔い」を説くため東奔西走の日々を送っている。

経歴は異色でも想いは変わらず貫きとおす

すごく異色の経歴でびっくりしたんですが、経緯を教えてもらえますか?

高校を出たあと出家し、寺に入って修行していました。日本の仏教の教えを後世に伝えたいと願いながらも、同時に現代の日本では葬儀という弔いがおろそかにされているのではと疑問を抱くように。それをきっかけに僧侶から葬儀会社へと転職したんです。


その後、これからの時代にはネットでの情報発信が不可欠になると考えてシステムエンジニアの道へ。これもまた異例のパターンでしょうけれど(笑)。しかしこのスキルも、現代の日本において日本人が正しい弔いができるようにするためのものです。まわりからは変わり者と奇怪な目で見られましたが、私の信念は首尾一貫してブレることもありませんでしたね。

ご葬儀の特徴はありますか?

他社さんとの一番の違いは「お寺葬」です。これは寺院と葬儀社が一緒に行うもので、わかりやすくいうと寺院と葬儀社が手を携え故人さまを弔うことで、例えば、本堂で葬儀をするのもその一つです。一般的には多くの人が、「葬儀とはホールや斎場でするもの」と思っているかもしれませんね。


しかし実は「お寺の本堂で住職に読経してもらう葬儀」こそが、日本人の心が求めている弔いだと思います。弊社はこちらを推奨しており、そうすると不思議と火葬のみ、いわゆる直葬を選択される方からのご依頼はなくなり、今ではほとんどのお客様がお寺葬を選択されます。



足立さんが打ち合わせ時に大切にしていることとはなんでしょうか。

「安心・安全・安寧」、これに尽きます。ていねいかつ親身に対応し、プロの目線でわかりやすく説明することに気を配る。加えて物心両面の安らぎを追求し、ご宗家の方々とともに考え行動することで「安心・安全・安寧」を実現しております。そのために、いっさいを自社施行でとり行うのもこだわりですね。


最近新たに取り組んでいることはありますか?

お寺での精進料理の会を催したり、ペット供養にも力を入れています。しかし今の最大のトピックはやはり本堂での「終活セミナー」の開催! まずはこのセミナーを通して、このお寺、この本堂でお葬式ができるということを認知してもらえるように活動していきたいと考えています。


古式ゆかしい仏式のお別れを伝えたい

これまでに手がけたなかで記憶に残ったお葬式を教えてください。

お葬式ではないのですが、実は東日本大震災のときに「納棺ボランティア」にうかがったんです。毎日毎日、何十体という仏さまを前にして人間の無力さを痛感しました。私の人生においても非常に大きな出来事で、弔いというものを真剣に考える機会にもなったのです。


日中はボランティアとして納棺のお手伝いに勤しみ、夜中誰もいなくなるとひとり体育館で棺に向かい読経をしていました。そんなある日、お会いした女性から「お経がなくてもあの世に行けますか?」と聞かれて。ハッとしましたね。私がお経を唱えることで尊い命を弔い、さらにはご家族の悲しみを癒やすことにつながるのだと…。それからますます無我夢中で般若心経を唱え、同時に日本の古式ゆかしい仏式葬儀をちゃんとした形で伝えたいと強く思うようになりました。

依頼者さまから言われてうれしい言葉はありますか?

子どもさんから「お寺で親を見送る正しい葬儀を提案してもらえた」とおっしゃっていただくことですね。安心して故人さまが旅立てる場を作れたと光栄に感じます。


当たり前ですがお寺の本堂は畳なので、靴を脱いではだしになってもらいます。究極のプライベート空間でご家族と最後のお別れができる、そんな空間もいいものですよ。


このお仕事はお好きですか?

好きだからやれているんだと思います。大切な仏教文化を継承していきたい、古くから日本人がしてきたお葬式を令和の時代に具現化したい。間違った方向へ向かってしまっている現代の日本の弔い方を正しく導くために、私たちはこれからも励んでいく所存です。


インタビュー後記

今回は、墨田区横川にある浄土宗龍興院さまの本堂をお借りしてのインタビューでした。お寺葬は唯一無二で別格ですし、斎場でのお葬式よりも安価で納まる場合が多いのだそう。そう聞くと、お寺での葬儀にとても興味が湧いてきますよね。


この提案ができるのは寺院と葬儀社、両方の経験を持つ足立代表だからこそ。現代で増えつつある火葬のみの弔い、深夜に張り込み病院へ迎えに行くこともしないといったスタイルは、逆に斬新に感じられます。とはいえ、これは「すべて昔は普通の形だった」と話す代表。他社さんとは一線を画した方針に自信を持っているようです。


お寺で古式のお葬式をあげたいと願うみなさま、ぜひ足立代表へ相談してみてくださいね。まずは終活セミナーの参加から、気軽にどうぞ。

お問い合わせ

社名 株式会社T-sousai  (カブシキガイシャティーソウサイ)

代表者 足立  信行

役員 奥田  久士

所在地 東京都港区浜松町2-2-15

代表電話 03-5356-1860

*お電話相談の際、『区民ニュース』の足立さんのインタビュー記事を読みましたとお伝え下さい。

FAX番号 03-6701-2910

代表アドレス info@t-sousai.co.jp

ホームページ https://t-sousai.co.jp/