私は職業柄「葬儀」とか「終活」などというキーワードでインターネットを検索しているので、最近のサイトはAIが勝手に「この人はこのような情報が必要なのではないか?」と「葬儀」とか「終活」などの記事が多く配信されるようになっていることに気付かされます。

 

そして、職業柄そのような記事が配信されると、職業病のようにクリックしてその記事を読んでいる自分がおります。面白い記事もあれば、何を言っているのだろうというものもしばしば見受けられます。

 

また、本屋などに入店すると陳列されている週刊誌に「葬儀」とか「終活」などと大々的に書かれていると、立ち止まってしまいます。そして、その雑誌を手に取りそのままレジに向かう事もしばしば。もしかしたら、こういった雑誌は業界関係者しか読んでいない説が濃厚な気がしないでもないのですが・・・。

 

私が葬儀社に勤務しだしてから20数年の間に葬儀のスタイルが大きく様変わりしてきました。私が葬儀屋さんになったばかりの時は情報を取る手段すらなかった気がします。インターネットで集客する会社など皆無に等しく、ホームページすらない葬儀社の方が多かった気がします。

 

ホームページを作成するなんて考える葬儀社は当時皆無で、葬儀式場を建設しようと考える葬儀社ばかりでした。世の中の方々も、事前に葬儀の情報を取ることをする方など皆無で、「生きている時に葬儀の相談をするなんて縁起の悪いことをするな!!」という考えがほとんどでしたが、式場に恐る恐る足を運び「聞いても良いですか?」と申し訳なさそうに来館される方が本当にたまに居たくらいでした。

 

そこから2010年に「終活」という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされてから、徐々に自分自身の終末を考える事や、大切な方のお見送りについて考える方などが、エンディングについて準備することは「不謹慎」ではない活動だという時代に突入していき、この年あたりからテレビや雑誌などで「家族葬」「終活」という言葉をよく見かけるようになったのです。

 

ただ残念なのが「まったく違う情報」や「一般の方々が都合のよく解釈してしまうように誘導された情報」が流れまくり、そこに上手に乗っかった「専門家」と呼ばれる方々が適当な情報を世間のみなさまにお送りしだしたのです。

 

先日もある雑誌を見ていたら、実際にはお葬式の現場に姿を現さない「会社のお偉い方」が葬儀式場にお越しになられた「余命いくばくもない」方の自分自身の葬儀相談を行い、更には普段その会社が行わないようなサービスをいかにもやっていますと記載していたのです。

 

あの記事を見た「終活をしなきゃ」と考えている方々からしたら、「えっ?こんなことしてもらえるの?」と勘違いをしてしまうと思います。また、そんなサービスをしていますと言ったその「会社のお偉い方」は現場になんか居りませんので、お客様の相談を聞いて色々な提案をしたこと自体「本当なのかな?」と思わざるを得ないのです。

 

購買数や視聴率を上げるために、「葬儀屋さん=ボッタクリ」「お坊さん=悪い奴」みたいな設定はいくらでも見てきましたが、真実を書いてもらわないとこんなことは永遠に続きますよね。ただ、テレビや雑誌のインタビューだからと言って調子に乗って、適当なことを言わないで欲しいものです。いや、適当なことを言うからテレビや雑誌から呼ばれるのかも(笑)

 

 

 

 

こちらのブログをご覧のお葬式のご相談をご希望されている方は、メールにてお葬式の事前相談を実施しております。あなたがもしもの時に慌てない為にも是非ご活用ください。d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟