【専門医ドクターコラム(第15回) 放射線治療で大切なこと】

放射線治療は、手術、薬物療法とならぶがんの3大治療法の一つで、世界各国で広くおこなわれています。また良性腫瘍や腫瘍以外の良性の病気にも使われています。では日本で放射線治療をおこなっている施設はどのくらいあるでしょうか。
日本放射線腫瘍学会の調査では放射線治療施設は全国で約860か所ですが、そのうち、すべての放射線治療がおこなえて必要なスタッフが揃っている「日本放射線腫瘍学会認定施設」は265か所に過ぎません。日本は高額な装置を揃える財政基盤が発展途上国などと比較して優っていますが、放射線治療の専門家が少ないのです。それが日本の放射線治療の利用率が低い原因の一つでもあります。
どの治療法でもそうであるように、きちんとした治療をおこなうためには、高い専門知識を持った医師、メディカルスタッフが必要です。特に放射線治療では、医学物理士、診療放射線技師と言った放射線の専門家が医師と同様に高い専門的な知識を持っていることが重要です。
医学物理士とは、医療現場にいる物理学者で、放射線の線量が正しいかの検証、装置の検証、放射線治療の線量分布の計算と検証などをおこなっています。
診療放射線技師は、医師の指示に従い患者さんに正確な放射線照射をおこないます。現在、放射線治療専門医は約1,400人、医学物理士は約1,500人、治療専門診療放射線技師は約2,000人です。放射線は目に見えませんので、こうした専門家の精度の高い業務連携が特に重要です。また、放射線治療の専門知識を持った認定看護師も患者さんの強い味方です。
治療装置の新しさ、機能の多さなどを売り物にしている施設がありますが、装置を適切に使ってスペックを最大限に引き出し、効果が良く安全な治療を提供するのは医療従事者です。よく切れるメスがあるからと言って病院を選ぶ方がいないように医療は人で成り立っています。
河北総合病院 放射線腫瘍科部長 唐澤 久美子

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