【専門医ドクターコラム(第10回) 肺がん】

肺がんは、前立腺がんや乳がんに比べてやや手強いがんのため、複数の治療法を組み合わせる集学的治療が重要になります。病状に応じて、手術、放射線治療、薬物療法を組み合わせて治療をおこないます。近年では、従来の抗がん剤に加えて、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などが使え、薬物療法の選択肢が広がってきました。

肺がんには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんの4つの主なタイプがあり、最も多いのは腺がんです。小細胞がんは他の3つとは性質が異なるため、一般的には「小細胞がん」と「非小細胞がん」という分類で区別されます。非小細胞がんでは、がん遺伝子検査をおこない、その結果に基づいて効果の高い分子標的薬を選びます。
非小細胞がんでは、がん遺伝子検査をおこなって効くタイプの分子標的薬を選びます。比較的早期の非小細胞がんでは、まず手術を考え、体の状態が手術に適さない場合に放射線治療を考えます。がんがリンパ節に広範囲に広がって手術で取りきれない場合は、放射線治療と薬物療法を組み合わせて完治をめざして治療します。がんが他の臓器にまで広がっている場合は、薬物療法が中心的な治療になります。

リンパ節に転移のない早期肺がんの放射線治療は、定位放射線療法(ピンポイント照射)が一般的です。4回程度の通院照射でがんを完治させる方法で、肺や心臓の機能が手術に耐えられない方、ご高齢の方でも安心な治療です。

非小細胞肺がんで、腫瘍が大きくリンパ節に転移している場合は、抗がん剤と放射線治療を組み合わせて治療するのが一般的です。この場合は、治療する部分が広いので、6週間くらいかけて少しずつ治療します。

小細胞がんは、早く大きくなって転移もしやすいのですが、薬物や放射線治療が効きやすいのが特徴です。治療の基本は薬物療法で、転移がない場合は手術よりも抗がん剤と放射線治療を組み合わせて治療するのが標準です。早く大きくなるがんに対抗するために放射線治療を1日に2回、朝と夕方におこない、3週間かけて照射します。 河北総合病院 放射線腫瘍科部長 唐澤 久美子

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7 いいね! ('25/04/23 20:00 時点)