まちの仕事人インタビュー
マグロの競りからお客様の感想を聞くまでの全てに携わるお鮨屋さん 
株式会社伸栄 鮨こんこん 神楽坂 山本 慶 (やまもと けい) さん インタビュー

この仕事を始めたきっかけを教えてください

18歳までプロのミュージシャンを目指していましたが挫折しました。でも、人を喜ばせ、感動させ、驚かせることが好きだという根本的な動機は変わらなかったので、アルバイトをしていた飲食店で音楽と同じように人を喜ばせることができると感じ、飲食の道で修行を始めることを決意しました。

19歳頃から目黒の京料理店で10年間和食の修行を積み、その後、知人が横浜で寿司屋を立ち上げる際に、料理と酒の知識を活かしてほしいと頼まれ、30歳頃から寿司の世界に入りました。


会社設立までの経緯を教えてください

豊洲市場のまぐろ仲卸「有限会社  堺藤」が恵比寿に飲食店「つなき」を出す際に、立ち上げメンバーとして入社しました。その後、複数店舗の立ち上げに成功し、取締役として多くの部下を抱える立場になりました。

しかし、多くの経営者と交流する中で、自分の知識不足や会話についていけない場面に直面し、80~90人の部下の生活を背負う立場として不安を感じていました。そんな折に、自己成長と会社に貢献するため、堺藤の社長の了承を得て、会社「伸栄ジャパン」を設立しました。

社名の由来を教えてください

「伸栄ジャパン」の「伸」は、顧問でもあり起業を応援してくれた菅原社労士先生への敬意を表してその名を入れました。「栄」は、高校時代に働いていた焼き鳥「栄」の名前に由来していますが、自分の原点を忘れないようにと言う思いを込めてつけました。

店舗立ち上げのお話しを聞かせてください

当初は費用を抑えるため居抜き物件を探して、銀座、青山など様々なエリアを検討していましたが、神楽坂の「かくれんぼ横丁」の雰囲気に魅了され、新築スケルトン物件でしたが、「ここで店を出せるのは夢のようだ」と興奮し、出店を決意しました。

開店当初10ヶ月分を見込んでいた運転資金が3ヶ月で底をつき、追加の借入もできず、一時は廃業を考えた時もありました。板前も雇えなくなり、一人で店を切り盛りする時期もありましたが、徐々に客足が伸び、現在は板前3名、ホール社員1名、アルバイト6名を雇用できるまでに回復しました。

店名「こんこん」の由来を教えてください

菅原先生から紹介された宮城の日本酒「こんこん」に由来しています。「こんこんと湧き出る清水」のように絶えないという意味や、人との出会いが絶えないようにという願いが込められています。また、「こんこん」という言葉が持つ四季のイメージや擬音語としての響きも気に入っています。


お店の特徴を教えてください

高級感のあるおまかせコースを提供しつつも、敷居の高くない雰囲気を大切にしています。見た目(金髪やピアス)に関わらず、お客様に喜んでもらいたいというホスピタリティを大切にし、AIやQRコードが普及する現代において、仕入先、漁師、お客様、スタッフといった「人と人との繋がり」や会話を重視する飲食店を目指しています。

また、私は豊洲市場マグロ仲買い現場でも働いていますので、自ら競り落としたマグロを市場で捌き柵取りをして寿司を握り、お客様に提供しています。マグロの競りからお客様の感想を聞くまでの一通りに関わらせていただいてます。

仕事のやりがいやこだわりを教えてください

試行錯誤した料理をお客様に提供し、その場で「ありがとう」と直接感謝の言葉をもらえることに最大のやりがいを感じています。お客様の「楽しみ」という無垢な気持ちを絶対に裏切りたくないという強い信念を持ち、予約した日から来店当日までお客様が抱く期待感を大切にしています。

今後の展望を教えてください

市場を通さない直接取引が増え、市場の機能が低迷している現状に対し、市場の「目利き」という専門性を守りたいと考えています。そのために、自社の飲食店を増やすことで仕入れ量を確保し、コストを抑えつつ質の良い食材を提供できる体制を構築したいです。単なる店舗拡大ではなく、「人と人とが関わり合う場」としての飲食店を展開していくことを目指しています。


インタビュー後記

最近はQRコードで注文するようなお店が増え、お客さんとお店の人とのコミュニケーションが気薄化されていますが、山本社長は人と人との出会いや繋がりを大切にしている経営者だと感じました。それはお店の名前の由来でもある「こんこん」や社名の「伸栄」にも表されています。次回は美味しいお鮨と日本酒のこんこんを飲みながら、板前さんとの会話を楽しみたいと強く思いました。

お問い合わせ

株式会社  伸栄ジャパン

東京都新宿区神楽坂3丁目1番地  KARUKOZAKA PLACE4階

TEL:03-6280-7857

HP:https://www.kagurazaka-sushi-konkon.com/

営業時間:月〜土 17:00〜22:00  定休日/日曜日

*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。