まちの仕事人インタビュー
数学を楽しく学び続ける
株式会社数学アカデミー 代表取締役 鈴木 伸介 (すずき しんすけ) さん インタビュー

1979年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、大手の学習塾へ入社。その後、外資系金融機関への転職を経て、中小企業診断士の資格取得を機に独立。2015年に会社を設立し、現在は『株式会社数学アカデミー』の代表取締役を務める。2019年2月「もう一度解いてみる入試数学」(すばる舎)、2023年3月「AI時代に差がつく 仕事に役立つ数学」(小学館)を出版。

学びたいという想いを育てる

今の仕事をはじめられたきっかけを教えてください。

子どもの頃から、“自分が関わり、人の役に立つ”ことに喜びを感じていました。早稲田大学に入学し、将来の仕事につながるアルバイトを探していたとき、ふと自分の強みが、高校時代に打ち込んだ『勉強』であることに気づきました。早速、個別指導の塾でアルバイトを始め、教育への興味と、仕事内容が自分に合っていると確信。 “やらせる勉強ではなく、その人の中から学びたいという想いを育てる教育”をしたいという自身の理念を確立することができました。大学卒業後、自らの教育理念に近いと感じた大手の学習塾に入社。そこで、基本的なノウハウを学びました。その後、独立前に営業スキルを身につけたいと考え、外資系金融機関の営業職へ転職。中小企業診断士の勉強と両立させながら、営業スキルを身につけました。短い期間の仕事でしたが、支社の月間最優秀営業賞を何度かいただきましたよ。もちろん資格試験も合格しました。30歳の時に独立。最初は『資格学校の講師』と、登録していた『家庭教師紹介サイト』からの案件の掛け持ちでしたね。その後、自分で集客して指導方針を決めていきたいと考え、2015年に『医学部受験に強い数学の家庭教師』を行う会社を起業。また2019年頃から、一般の方に数学を教えたり伝えたりする活動も始めました。そして現在に至ります。

仕事の特徴は、どのような点にありますか?

『医学部受験数学』と、『ビジネス数学研修』を行っていることです。『医学部受験数学』は、原則高校3年生以上を対象とした2時間×週2回の家庭教師です。これまでに40人ほど生徒を受け持ちました。1年間の勉強での合格率は約6割。特化するとは言え、医学部はやはり難関です。受験数学の難易度について大枠で捉えると、私立大学医学部のレベルは、他学部の難関私立大学とほぼ同じ。しかし、問題のレベルが同じであっても、競争率が高いため自ずと合格のハードルは上がります。また医学部は設問数が多い大学があるため、解答スピードを上げていく必要もあります。この辺りをしっかり押さえた指導ができるのは特徴の一つと言えます。『ビジネス数学研修』については、企業などに招かれ、社員の数学活用のきっかけとしてご活用いただいています。目標分析やデータ分析など、ビジネスの世界には数字が欠かせません。一方で、数学が苦手という人は多く、生産性を高めるという狙いや、リスキリングの観点からお声がけいただく機会が増えていますね。


難関受験数学からビジネス数学まで

どんなお客さまが多いですか?

『医学部受験数学』では、高校3年生以上の、医学部進学を目指すお子さまを持つ親御さんからご依頼をいただきます。ありがたいことに、ほとんどが紹介です。元生徒さんや、その親御さん、自分が参加しているコミュニティの仲間や、その関係者の方からご縁をいただいています。ちなみに、生徒さんとはしっかり向き合っていきたいと考えているため、年に4人ほどしか担当はしていません。また、合格に向けて責任をもった指導をしたいと考え、事前に親御さんと生徒さんの両方と面談を行ったうえで、家庭教師をお引き受けしています。基本的には生徒さんの自宅で行いますが、状況によってはこちらで会議室などを手配して行うこともあります。スタートは、現役高校生の場合は、高校2年生の終わりの3月頃から。受験がうまくいかなかった生徒さんは、受験結果が出た2月中旬からが、次の受験に向けたスタートです。一方、『ビジネス数学研修』では、一般企業や社会人グループからの依頼が多く、少人数から100人規模まで対応できます。2023年3月に「AI時代に差がつく 仕事に役立つ数学」(小学館)という本を出版したことで、「本を読んでご連絡しました」というお声がけもいただくようになりました


仕事をするうえで、心掛けていることを教えてください。

私の掲げるミッションは“ひとりひとりが活き活きと前進し、輝く社会の実現”す。そのために私は、自分の得意分野であり、また好きなものでもある「数学」を通して関わっていきたいと考えています。多くの人が社会に出たタイミングから学びの機会を失い、特に数学は必要最低限しか活用していない状況です。しかし、ここでもう一歩踏み込んで数学を活用することで、普段の仕事や生活が良くなるきっかけを得ることができます。気がつけば自分からどんどん数学を使うようになってくると、そこからは楽しく学び続けることができますよ。この、楽しく学び続けられるということは本当に大切で、人生100年時代と呼ばれる長寿社会の中で、時代に合わせて自分を変化させていくうえでも、是非身につけていただきたい能力です。社員や生徒、もしくは自分の背中を押してもらいたいという方は、いつでも気軽にご連絡ください。無理のない範囲で、ぐいぐい押してあげますよ。



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インタビュー後記

常に笑顔の鈴木さんは、“楽しく学び続ける”ことを体現している。受験数学では、不合格だった生徒の親御さんから「もう1年お願いします!」と声をかけられるほど信頼が厚い。ちなみに医学部受験のため家庭教師をした生徒さんの最高年齢は31歳とのこと。人生はいつからでも学びを始められる。鈴木さんはそのきっかけをくれる人だ。

お問い合わせ

名前:株式会社数学アカデミー

住所:東京都品川区西五反田8‐2‐12‐7A

電話:03-4405-6415

Mail:contact@suugaku-acad.jp

HP:https://suugaku-acad.jp

*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。