まちの仕事人インタビュー
コミュニケーションで撮る
プロカメラマン 川田 航平 (かわた こうへい) さん インタビュー

1991年生まれ。兵庫県出身。品川区在住。大学卒業後、関西の写真館チェーン店で1年間勤務の後、23歳から独立。その後、カメラマンを一からやり直すために29歳で上京し、都内のスタジオに勤務を経て2021年に再度独立。経営者のプロフィール写真や、アパレルの広告写真、遺影など、人の魅力を引き出す写真が得意。特技はヒッチハイク。

しゃべりが7割、撮影が3割

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

大学時代に兄が結婚することになり、「結婚式で、プロのカメラマンに写真を頼むと、高いからやめた」と聞き、ふと「自分が撮ってあげたい」と考えました。写真を見て、兄がとても喜んでくれたことがきっかけで、そこからカメラが趣味に。仕事としてカメラを突き詰めてみたいと考え、大阪に本社を持つ老舗写真館チェーンへ就職。ホテルに常駐して、ウェディングの写真を撮影する『ブライダル部門』のメンバーとして働きました。しかし、同じホテルに常駐していた上司が体調を崩し、仕事を休むようになったことで状況が一変。入社1年にも満たない状態にも関わらず、本社からサポートもなく、上司の分と合わせて2人分の仕事をすることになりました。幸せいっぱいの新郎新婦の姿を撮影する私から、笑顔が消えるようになり、これは良くないと感じて退社を決意。フリーランスとなってからは、知り合いの社長などからの依頼もあり、すぐに仕事が絶えない状態に。笑顔が戻ってきたことで、ブライダルの仕事も引き受けられるようになり、1,000組以上を撮影しました。一人での仕事に慣れてきた頃、「そのタイミングが空いているならお願いしたい」と、偶然いただいているだけの仕事が多いことに気づき、もっと自分を必要としてくれる人と仕事をしたいと考え、『カメラを一からやり直す』ことを決意。一切何も決まっていない状況で妻と共に上京し、品川区に家を借りました。有名なカメラマンに手紙を送りまくり、返事をくれたあるカメラマンを訪ねたことが転機に。その場で知り合いのスタジオに電話をかけて、「今、こんなヤツが来てるんだけど、雇ってあげてよ」と話していただき、東京で仕事に就くことができました。そこで約1年半学んだ後、自分を必要としてくれる人たちとの仕事に、全力を注ぐため、再度独立。現在に至ります。

仕事の特徴はどのような点にありますか?

一緒に仕事をした人からは「こんなにしゃべるカメラマンには会ったことがない」と、よく言われます。私にとって、良い写真を撮るうえで、その人やモノのことを深く知ることは大切です。関西出身ということもあるかもしれませんが、普段から少しでも多くのコミュニケーションを取りたいと考え、よくしゃべり、よく聞くようにしています。振り返ると、これは社会人になる前から実践していました。大学時代、ロードバイクによる西日本一周の旅に2度挑戦したのですが、途中立ち寄った広島県では、自転車で旅をしている人に声をかけて仲良くなり、同じ宿に泊まるなど交流を深め、後に結婚式に呼んでもらう関係に発展。またその人から学んだヒッチハイクは、私の特技となり、声をかけ始めれば30分以内に車に乗せてもらえるようになりました。見知らぬ人に声をかけることに全く抵抗がなく、気がつくと仲良くなっていることは、とても多いですね。そして、そんなきっかけにも関わらず、今でも多くの人と連絡を取り合えています。本当にありがたいです。

世界観を全て写し出す

どんなお客さまからのご依頼が多いですか?

『経営者のプロフィール写真』や、『会社案内に使う社長・社員の写真』など、知り合いの社長やその社長からのご紹介による、法人からのご依頼が多いです。また、広告代理店からのご依頼は、アパレルなどの広告写真が多く、特にECサイトに掲載するための撮影が増えてきているのは、最近のトレンドですね。共通しているのは、“人”を撮影してほしいということ。コミュニケーションを取りながら一生懸命撮影している姿と、私の想いに共感してくれる人からは、ありがたいことに色々なお客さまをご紹介いただいています。また、『明日死ぬかもしれないから撮る写真』として、遺影の撮影も行っています。これは高齢者だけを対象にしているものではなく、すべての人に対して、“死”という予測不可能なものを、自分の中に受け入れることで、日々生きていることの尊さを感じてもらいたいという想いでスタートしました。「今年も1年元気に過ごせました」とご連絡をいただき、毎年撮影される方もいらっしゃいます。こうした仕事の積み重ねにより、今では、「川田さんにお願いしたい」と言ってもらえるようになり、20代の頃に思い描いていた、理想の状況を作ることができています。


仕事をするうえで心がけていることはありますか?

「コミュニケーションを取り、その人(モノ)の世界観を全て引き出す」ことです。広告写真の撮影現場には、複数のプロが関わっており、「ヘアメイク」や「スタイリスト」そして「モデル」、それぞれがベストを尽くした状態で、カメラの前に立ってくれます。その現場における私の役割は、プロの仕事を束ねて、その力を最大限に引き出すためのバランスを探り、形に残す重要なポジション。できる限りのコミュニケーションを取り、常にベストを尽くしています。もちろん、ベストを尽くすことは、プロが関わらない、会社や社長の撮影や遺影の撮影でも同様です。また、私の『航平』という名前には、「船が航海するように、たくさんの人に出会い、様々な価値観に触れ、広い視野を持って、平和を愛してほしい」との想いが込められています。これからも様々な価値観に触れ、視野を広げていく活動をしたいと考えており、その活動の一つとして、お笑い芸人さんの撮影を始めました。まずは100人ほど撮影して、いずれは個展を開きたいですね。これからも“しゃべり7割”の楽しい撮影で、その人(モノ)の魅力を引き出していきます。お仕事のご依頼もお待ちしています!

インタビュー後記

川田さんを一言で表現するのであれば、とてつもなく人間味のあるカメラマン。一緒にいるだけで心地よく、あっという間に時間が過ぎる。話に引き込まれ、ついつい色々と話してしまう。この状況で撮影されるのであれば、その人(モノ)の世界観が引き出されることにも納得だ。適切な紹介が思いつかないくらい、とにかく面白い人だから、逢ってみて欲しい。

お問い合わせ

名前:川田航平

電話:080‐4249‐8226

Mail:mail@kohei-kawata.com

HP:https://www.kohei-kawata.com/

*ご相談の際は、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。