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今まで苦労を掛けた妻に財産をやりたい。
(1年前の記事です) 掲載日:2023/11/12
今まで30年、私のわがままで大していい思いもさせてやれず苦労ばかり掛けてきた妻に労いの意味を兼ね私の財産を全てやりたいと思っています。財産といっても小さな築35年の木造のマイホームと、親から相続したアパート2件、現金が少々です。
残念ながら子宝には恵まれませんでした。そんな我が家ですが何か障害はありますか?遺言が必要ですか?兄弟がいる以上、妻に財産をやることは無理でしょうか?それとも税務署から目を付けられるでしょうか?物の本で兄弟がいると全てパートナーに相続できないという記事を目にしたことがあります。全く分からないので教えて下さい。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

遺言書作成は必須です!
配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースは増えています。
第一順位となるお子様(直系卑属)がいない場合は、第二順位であるご両親(直系尊属)に相続権が移りますが、ご両親も既にご逝去されていることが多く、その際には第三順位の兄弟姉妹が相続人となります。
この際の法定相続分は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となり、4分の1を兄弟姉妹の人数で割ったものがそれぞれの相続分となります。
今回のように全てを配偶者に残したいというご希望は多く、結論、遺言書を残すことで配偶者に全ての財産を相続させることは可能となります。
これは、兄弟姉妹には「遺留分」というものが無いためです。
「遺留分」とは、最低限相続財産を受取ることができる民法上定められた権利であり、遺言でも奪うことができません。
そして、配偶者がいる場合の第一順位、第二順位の相続人様の遺留分は、法定相続分の2分の1となります。
しかし、これはあくまでも第一順位、第二順位の相続人の話であり、実は第三順位である兄弟姉妹には、「遺留分」が無いのです。
その為、遺言により配偶者に全てとすれば、例え兄弟姉妹の相続人様に不満があったとしても、遺言書の内容通りに手続きを進めることができるのです。
今回のケースは、万が一の際にトラブルになる可能性をできる限り抑える必要があります。
是非、専門家に早めにご相談されることをお薦め致します。
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