先日、他社で勤務している友人の葬祭ディレクターに火葬場でばったり会いました。最近の近況をお互いが話していると、彼が勤務する会社では火葬のみのお客様が増えているってお話しになり、今回のお客様も火葬のみらしい。

 

今回、彼が担当していた故人様は、50代の個人事業主の方でした。50代なんてまだまだ若いのに一体何があったのかな?と思いお話しを聞いてみました。故人様は、ご自分が経営している事務所でお亡くなりになっていたそうで、お仕事柄、お客様のご来店が頻繁にあるような職種では無かった為、1か月もの間発見されずにいたそうです。

 

今回のように仕事場である事務所でお亡くなりになっていた場合は、警察による検死が行われたそうです。今回はいくつもの事が重なってしまい1か月も発見されなかった訳ですが、約1か月前にメールが未開封になっているとか、LINEなどが既読になっていないなどで約1か月前に亡くなったのだろうと判断されたようです。

 

また、この方には奥様はいなかったようで、子供さんもいない、さらには一人っ子でご両親もすでに他界しておりました。だから、家に帰ってこないからといって不審に思う方もいなかったようです。更には、先述しましたが会社にお客様や取引先の方が多く来店するようなお仕事ではないため1か月間わからなかったようです。

 

ちょうど火葬が終わったというアナウンスとともに現れたのは、亡くなられた方の叔父夫婦でした。見た感じ80代といった感じでした。その時、彼の相続とかはどうなるのか?と私の友人に質問があったので、相続に詳しい専門家にその場でお電話し、お電話を代わり質問についてお答えしておりました。

 

すると、驚いたような声で「そんなことないだろう??」と電話のやりとりが始まりました。どうやら、今回亡くなられた方は、奥様も子供もいない、更には一人っ子でご両親も他界しているとなると、法定相続人が誰もいないという事なのだそうです。

 

叔父夫婦からすれば唯一血縁関係があるし、更には警察から「甥っ子さんが亡くなった」と突然の電話が入りものすごく気が動転しているなかで、「これからいろいろな手続きを自分たちがするのだろうか?」と不安になり聞いてみたら思ってもいなかった答えだったようで驚かれたのだそうです。

 

法定相続人とは、民法で定められた被相続人つまりお亡くなりになった方の財産を相続できる人です。 遺言書があれば、相続できる人は法定相続人に限られませんが、遺言書がない場合は基本的に法定相続人同士で遺産どのように分けるかについて協議し、どのように相続するかを決めることになります。 法定相続人になる人は、被相続人の配偶者と第一順位となる子供さんとなり、いらっしゃらない場合は、第二順位はご両親となり、他界していたら、亡くなった方の兄弟姉妹となるのです。

 

という事で今回の方は相続人がいないとなるようで、叔父夫婦も「いくらか財産もらえないの?」って聞いていましたが、「遺言書でも残っていれば・・・」との回答に苦笑いしていました。故人様も天国で「まさかこんな若さで?」って思っていることでしょうね。

 

独身の方でさらには一人っ子の方など、いわゆる「おひとり様」はせっかくの財産を無駄にしないためにも、遺言書を残しておくことをお勧めいたします。「まだ若いから・・・」と遺言書を書いておくことを先延ばししていると、このお話しは他人の不幸話では済まないかもしれませんよ。

 

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d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com(1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟