
焼け跡の中、ひとり歩き出した少年がいた。
1945年、米軍大空襲の夜ーー 一瞬で家族・兄弟を失った5歳の少年は、
やがて一人のカトリックのシスターと出会い、
人生の航路をアメリカへと導かれていく。
戦災孤児から教育者へ、そして起業家へ。
今、銀座の一等地から語られる、希望と挑戦の物語。
(カッコ内)はインタビュアー細井の独り言です。
現在の仕事を始めるきっかけはなんですか?
現在は環境ビジネスの仕事をしており、米国から特殊断熱塗料の輸入販売をさせてもらっています。
現在の仕事を始めるきっかけは、
ロサンゼルスでレザーコートや毛皮の仕立てをやっており、大繁盛していたのですが、ある時期から週末ごとに動物愛護協会の方がやってきてイチャモンをつけるようになったのです。
だから当時年配の方に相談しましたら、これからは「環境ビジネスだよ」と言われました。そのためお店を閉め、特殊断熱塗料の日本独占販売権を取得し、日本に帰ってきてから現在に至っているのです。
人生いろいろで、中学時代から孤児院で紳士服の縫製を習っていました。神父さんに「洋服の先生になりたい」と伝えたはずなのに、神父さんは「先生になりたい」という部分だけを解釈して、先生になるなら大学をでなきゃいけないよって話になったんです。結局、のちに母校で教員となる日向学院から高校・大学の7年間を無料で学ばせてもらいました。やがては教師となり、奨学金返済という形も含めて体育と倫理道徳を担当し、7年間無給で教壇に立ちました。寮監も兼ねて住居と食事も与えられていましたので幸せな教師生活で青春を謳歌しました。
その後、新しい世界を求めてアメリカへと旅立ちました。
(恩に厚いなあと感じる方です。感謝の気持ちがご本人に必ず返ってくると思います。)
(上記写真)左:西口和雄さん 右:山崎豊子さん
30~40代
ロス市警の近くのリトルトーキョーにお店を構えて好きな洋服づくりをしました。
レザーコートを作っていたんです。
小説家 山崎豊子さんのレザーコートも作りましたが、先生は私をモデルにして小説を書きたいと言っておられました。しかし、最後には大成功するか、悲劇のヒーローにならないと小説は売れないから頑張ってね・・・と言われましたが、この前お亡くなりになりました。
日本のプロ野球チームのキャンプ中に監督から選手まで、ロサンゼルスのニューオータニでオーダーメイドで作りました。とことん大儲けさせてもらいましたよ!(笑)
当時、テキサスの有名な占い師に見てもらった事もありました。98歳でピンピンコロリと言われて、気になっていたビジネスの行方も聞いたんです。
「1年に1回ハリウッドの俳優も見たりするけど、こんな金持ちは見たことない」と言われたことを昨日思い出しました。
あと15年大活躍できそうです(笑)昨日良い事あったのでまた後で話しますね(笑)
(98歳まで仕事する気だ!!情熱のかたまりだ!)
今の社名はこの仕事の少し前にしていた水関係の仕事の時です。水で「アクア」西口の名前から「ウエスト」アクアウエストって訳です。
(親父ギャグの上位互換のお爺ギャグである。社名がしっくりくる)
中央区銀座・新川の事務所はどういった経緯ですか?
30年前にアメリカから帰ってきた時、自由が丘の住まいは友人の理事長が保証人になってマンションに住めたのですが、国内での実績が短く事務所を借りれなかったんです。
その時期、食事か買い物の用事で銀座に来た際に、大きな賃貸事務所の看板があったので連絡をしてみました。
日本に戻りたての私にはなかなか貸事務所を貸してくれる所がありませんでしたが、
ただ、とても簡単な話で、取引先が大手の日立プラントサービス、IHIマリーン、丸紅畜産だと説明をしたら手のひら返しですぐにOKしてくれて、とてもわかりやすくて面白かったです(笑)
サービスの特徴などはありますか?
以前は米国の総販売元と契約をしていましたが、社長がお亡くなりになったので、今は米国メーカーと直接の独占販売契約です。さらにこれまでは、建物とプラントがメインでしたが今はアスファルト道路や橋梁・トンネルなどのコンクリートも加わりうれしい悲鳴です。
道路表面に塗装をする事で断熱効果があって、ヒートアイランド対策として夏のあの熱い道路の温度を下げて、道路自体の耐久性アップにも繋がる特徴があります。
アメリカからの購入の仕方としては、コンテナ20フィート分が購入最小単位で、まとめて買わないといけないんです。
金額にしたら3000万円ですよ。
当時、日立プラントサービスと仕事をしていて、3000万円現金前払いをお願いしたら「そんなもんやる会社がどこにあんねん!!」と言われたんですが、営業担当がアツい想いで上司に話を通してくれましたら社長が直接会うと言って下さり、「あの男は3000万円で逃げるような男じゃないので現金前払いでOKだ。もし逃げたら社長の退職金で払っておけ・・・」とあとで聞かされました。太っ腹な社長です。今の時代では考えられないですよね。
大手3社と代理店契約を結んでいたのですが、私たちが扱っている塗料の真似をする業者が現れて裁判になったこともあります。
(西口さんが明るく前向きな人柄だと応援したくなるだろうな。ビジネスマンとして見習うべき姿です)
どんなお客様やお悩みが多いですか?
これまでは先ほどの大手3社の代理店を中心に仕事をしてましたけど、東北大震災をきっかけに会社を休眠状態にして特許申請に5年間を費やしました。
令和3年にはようやくの想いで特許取得ができたときにコロナがきました。そして特許取得の塗料を活用した壁紙を広げていこうとしていた矢先に、昨年総代理店の社長が亡くなりました。
そんな中このタイミングで道路の話がきたんです。
だから98歳までのこれからが楽しみなんですよぉ!(笑)
(ウシシっ!と聞こえてくる様な満面な笑みをまたお目に掛かりたくなっている自分がいる)
ヒートアイランド現象の対策としては、東京都は令和12年までに245km距離を手直しするという事ですが、
いずれは日本の道路全体であれば大変な領域になりそうですよ!
大切にしている考え方や理念を教えてください。
私は小学6年生までに3度死に損なった経験があり、救われた命なので、中学3年の時シスターや神父さんの様に家庭を持たずに生涯を子ども支援に尽くそうとライフワークを決めました。そのため企業で成功し、ミニ財団を作って子ども支援を続けたいのです。
幼少期に両親兄弟を亡くした経験で助けられて今があります。
自分と同じような困っている環境で育っている子どもたちの為に財産を残してあげたい。
これからの展望を教えてください。
4/6 2025付けの日本経済新聞で米アリゾナ州立大学と早稲田大学の国際研究チームがヒートアイランド対策に関する否定的な論文を公表しました。タイトルは『路面を冷やすと熱中症リスク』です。
「現在の遮熱性舗装は、熱を周辺に逃がす『熱緩和』を想定する技術から期待されることとは正反対の結果となった」という事です。
現在、米国から独占販売権を有する特殊遮熱・断熱塗料サーマコートを、今夏ヒートアイランド対策の実証実験によるデータ取得を実現させて、ホームページに掲載しようと計画していた矢先の出来事に、ある意味追い風かも知れません。兎に角この特殊遮熱・断熱塗料は他の追随を許さない途轍もない優れものなのです。日本中に展開させますよ。
皆さんへメッセージはありますか?
皆さんへはこれまでお世話になっていますので、ヒートアイランド関連で儲けさせてもらえたら、それをミニ財団の資金にして子ども支援に全力を尽くしながら、同時に税金をしっかりと納めさせていただきます。中央区にも。また、やる気のある若者へこの仕事のバトンタッチを進めていきたいです。
これからもお世話になっていきますので!(笑)
幼少期から税金で学校に通わせてもらったので、人よりもお返ししたいという気持ちが強いです!
今の会社も後継者と共に長く続けていきますよ!
(また“誰かのために”だ。見習います。)
インタビュー後記
お会いする数日前に大型の素敵なお仕事があったそう。
カフェではスタッフの方を褒め、とにかく笑顔で楽しそうにお話され、
仕事を楽しんで子ども支援の為に!という強い想いを持っている方。
人を喜ばせる事を好きでやっている。
これだけ徳を積んでいる方には良い運がまわってくるのだろうな。
お話していて惚れました。
数回お会いさせて頂きましたが会う度に良いニュースを聞かせて頂いて
元気を分けて頂きました。
塗料や外壁・道路などを扱う方は是非ご連絡を!
お問い合わせ
会社名:株式会社アクアウエスト
代表取締役社長 西口和雄
所在地:〒104-0033 東京都中央区新川1-28-4 310
TEL:090-2303-4460
*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。