まちの仕事人インタビュー
外国人介護人財を輝かせる
株式会社オリーヴ 経営支援部 部長 重成 涼馬 (しげなり りょうま) さん インタビュー

1991年生まれ。神奈川県出身。大手紳士服量販店の店長を経て、株式会社オリーヴへ入社。趣味は野球観戦。

外国人スタッフが、心豊かに働ける環境を

この仕事を始められたきっかけを教えてください。

弊社の「代表」と、弊社が関わる「外国人スタッフ」の想いに触れたことがきっかけです。実は弊社の代表は、前職の紳士服量販店での私の上司。当時から、“利他”の心を持ち、心の底から人の幸せを願う上司で、とても尊敬していました。一緒に仕事をした期間はあまり長くはありませんでしたが、お互い異動により職場が変わってからも「いつか、また一緒に働きたい!」と思うように。その後、上司は5年前に現在の会社を起業。仕事が変わってからも、定期的に私のことを気にかけては、ご連絡をいただいていました。上司が起業した弊社のサービスは、介護事業に特化した『外国人人財の支援サービス』で、ベトナムやカンボジアなどから働きに来る人の支援。実は日本の介護事業は、東南アジアの国々に比べて進んでおり、母国に残した両親や縁者の介護をするために、日本で学びたいと意欲の高い人が多いのです。そんな外国の人をサポートしたいという代表の情熱と想いを伝えられ、一緒に働きたいと考えるようになりました。また、外国人スタッフの方を知ったことも、転職を決意した大きな理由です。トラブルや失踪など、外国人スタッフに関する悪いニュースがときどき流れますが、それはごく一部のことで、ほとんどの人は、非常にまじめで勤勉です。特に弊社で支援している“介護”に関わる外国人スタッフは、就職前に『日本語学習』と『介護実習』が必須となるため、一般的な仕事に就く場合と比較すると、収入を得られるタイミングが、3~4ヶ月遅くなることになります。無収入の期間が長くなる大変さを受け入れてでも、日本で頑張り、母国に技術を持ち帰ろうとする姿勢に心を打たれ、自分も力になりたいと考えました。


仕事の特徴はどのような点にありますか?

メインとなる事業は介護事業に特化した『外国人人財の支援サービス』で、少子高齢化により、若い人財の流入が特に少ない業界に、外国人スタッフをご紹介しています。母国を離れて日本で働く外国人スタッフは、馴染みのない文化と、初めての人間関係に不安がいっぱいです。また介護事業は、利用者の方と関わる際に1人になることも多く、なかなか丁寧な指導を受けにくい環境です。そのため、なるべく外国人スタッフの方が孤立することの無いように、通訳の方の協力も得ながら、定期的に連絡を取り合っていますね。また、外国人スタッフを受け入れる施設側にも、働き方改革を促すコンサルティングを行っています。介護の仕事は夜勤などもあることから長時間労働になりがちで、休日も連休では取りにくいという施設も。しかし、それでは外国人スタッフの疲れを取りにくく、プライベートを充実させることも難しくなります。「働く人の心が豊かでないと、人にやさしくできない」と考え、施設側には“週休3日制”を実現するためのサポートをしています。1日の働く時間を調整することで、1ヶ月トータルでの労働時間を変えずに、休む日を増やすというもので、宮城県内の21施設で実施いただいています。業務シフトの作成や、スタッフの面談、各種説明会、移行後の課題解決や運用の安定化をサポートしており、施設からは「採用希望が増えた」「離職する人が減った」と、その効果を実感していただいております。


自ら輝き、世界を輝かせる

現在携わっている外国人財は、どの国の方ですか?

現在私が担当している外国人スタッフは約40人で、約7割がベトナムの人です。その他にもカンボジアやインドネシアの人を担当し、全国20ヶ所の介護施設で活躍してくれています。世代的には若くて体力のある20代前半が多く、女性が多いことも特徴です。一般的に外国人スタッフは、母国に技術を持ち帰ることを目的としていることが多いですが、介護事業に関しては、『介護福祉士』という資格を取得することで、日本への永住権を得られることもあり、それを目指す人もいますね。私の仕事は、「外国人スタッフ」と「受け入れ施設」の橋渡しを行い、「サービス利用者」の方に喜んでもらうこと。“利用者の日本語が、外国人スタッフにうまく伝わっていない”などの状況があれば、外国人スタッフと面談し、改善に向けてサポートしています。昨年ベトナムへ行き、外国人スタッフたちの母国の環境を知ったことで、さらに力になりたいという想いは強くなりました。

仕事をするうえで心がけていることはありますか?

“誠実”“貢献”です。外国人スタッフだけでなく、仕事で関わる「受け入れ施設」や「サービス利用者」へ誠実に対応し、貢献することを目指しています。また仕事を通して“自ら輝く”ことも心がけています。これは、外国人スタッフと話していて考えるようになったもので、ベトナムの人は特に“仕事は自分と自分の家族のためにする”という強い意識を持っています。家族を大切にしながら働く姿勢には幸せが溢れ出ており、改めて自分が何のために働くのかを考えるきっかけとなりました。ご紹介した介護施設の中には、そんな外国人スタッフの高い意欲を持った働き方に刺激を受けて、日本人スタッフの意識が変わってきたという嬉しい変化も。やはり、自分が幸せでないと、人の幸せを望むことはできません。自分の仕事に自信を持ち、働く喜びを感じられる人が増えると嬉しいですね。そのために、まずは私が自ら輝き、楽しく全力で仕事をします。日本で活躍したいという外国人の方がいらっしゃいましたら、是非ご紹介ください。また、外国人スタッフを雇用したいという施設や法人についても、ご連絡をお待ちしています。一緒に人生を輝かせましょう!


インタビュー後記

外国人スタッフの高い意欲と、ポジティブな姿勢を聞くと、「働く喜び」や「人の役に立つ充実感」といった仕事の本質について考えさせられる。外国人スタッフは、単なる労働力ではなく、日本人が失いつつある働く喜びに気づかせてくれる貴重な人財だ。

お問い合わせ

株式会社オリーヴ

ホームページ:https://oreveoreve.com 

メール:shigenari@oreveoreve.com

電話:080‐4127‐0676

*ご相談の際は、『港北区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。