まちの仕事人インタビュー
ママ秘書の力で日本経済を良くする
ママ秘書project 代表 宮川 典子 (みやかわ のりこ) さん インタビュー

1977年生まれ。東京都出身。練馬区在住。高校卒業後、大手不動産会社へ就職。結婚に伴う退職後、3年間の専業主婦期間を経て、外資系金融機関の事務職として仕事復帰。現在は個人事業主をサポートする秘書として働く。1児の母。趣味はGLAYのライブに行くこと。

子育てのスキルは秘書の仕事に応用できる

「ママ秘書project」を立ち上げた経緯を教えてください。

2つの側面での気づきから『ママ秘書project』を立ち上げました。1つ目は、私自身が個人事業主の秘書をしている中で、“秘書のサポートにより、事業主の生産性が向上する”と肌で感じたこと。2つ目は、子育てなど複数のことをこなす“ママの持つ同時進行の能力が秘書に適している”と感じたことです。出産に伴い退職した人の中には、子育てがひと段落ついたタイミングで仕事復帰を目指すものの、仕事へのブランクの心配などから、あえて少し難易度の低い仕事を選ぶ方がいらっしゃいます。その話を聞くたびに「もったいない!」と思ってしまうのです。子育ての期間は、仕事の能力が下がるブランク期間ではなく、むしろ複数のことを同時進行できるようになる、スキルアップ期間です。その期間で身に付けた能力を、秘書として事業主をサポートするために発揮して欲しいと考え、この『ママ秘書project』を立ち上げました。

秘書のスキルを身に付けることは大変ではないですか?

独学で秘書を目指すのであれば大変かもしれません。ちなみに私は高卒のため、周りの秘書と比べると学歴はないかもしれませんが、働いていた企業が大きかったことも幸いし、しっかりした社会人としての教育を受けることができたため、秘書として活動ができています。ママ秘書projectでは、1ヶ月かけて秘書に必要な考え方やスキルについて学ぶ研修を行っています。特に秘書としてのプロ意識は、スキルや経験は関係なく、教育により正しい価値観を学ぶことで身に付けられるものなので、そんなに構えなくても大丈夫ですよ。また、秘書として高いスキルを持っていても、メンタルを穏やかに保つ方法を知らなかったために、仕事を辞めていく秘書を何人も見てきました。研修では、秘書の仕事を長く続けるコツについてもお話しています。

ママ秘書projectにはどんな流れで参加できますか?

まず初めに、1ヶ月かけて秘書になるための研修を受けていただきます。研修では、『プロの秘書の役割』『ママの持つポテンシャルの解説』『他の秘書との差別化の方法』『仕事を長く続けるコツ』などを学び、早い人では研修の翌月から実際に秘書の仕事をスタートされています。研修後も月に1回、ママ秘書メンバーでの交流会など継続的に情報共有とスキルアップの機会を提供し、ママ秘書をサポートしています。

ママ秘書にはどんな方が多いですか?

ほとんどが、子どもが保育園に行っているなど、家で一人の時間を作れるママです。秘書の仕事はテレワークでできるものが増えていますが、業務を集中して行うためにも、子どもに注意力を向けなくてもよい一人の時間を作れるママにお薦めしています。


事業主こそ秘書の活用を

個人事業主にも秘書のサポートが必要ですか?

個人事業主こそ、秘書のサポートが欠かせません。個人事業主の方に「時給はいくらですか?」と聞くと、「5,000円!」「20,000円!」など、ほとんどの方が把握していらっしゃいます。しかし、「直近1ヶ月間の予定のうち、あなたでなければ絶対にできなかったものはどれだけありますか?」という質問に、正確に答えられる方はほとんどいらっしゃいません。その際、“本人のスキルが大きく発揮される重要な商談”や、“本人以外では対応の出来ない健康診断”などを除き、多くのことについて他の人でもできると気づいていただけます。例えば、新幹線の移動時間を調べたうえでのチケットの取得と発券、オンライン会議のスケジュール調整や会議のリンクの作成とメールによる関係者への共有などは、個人事業主でしかできない仕事ではありません。他の人でもできる仕事は、個人事業主と比べて時給が安く信頼のおける秘書に任せて、個人事業主は事業の拡大に集中した方が、会社の成長に繋がっていくため、秘書によるサポートは本当にお薦めです。実際の秘書の活用事例などをお話する、個人事業主向けの『秘書の活用方法セミナー』も開催していますので、良かったらご参加ください。

今後の見通しと、ママ秘書projectへの想いを教えてください。

世の中的に、今後はますますサービスが細分化され、個人事業主が増えていく社会になると考えており、ママ秘書の活躍の場も世の中の流れに合わせて増えていく見通しを持っています。また、ママ秘書を活用した事業主の生産性の向上が、会社の成長に繋がり、最終的に日本経済を良くするという社会的に意義のある活動に繋がっているということも、ママ秘書projectへの想い強くしている理由の一つです。“ママの幸せが子どもの幸せにつながる”という考えのもと、子育て期間にスキルアップしたママが秘書として活躍できる環境づくりを、これからも進めていきます。

インタビュー後記

自身の経歴から「学歴や経験がなくとも、教育によって秘書の技術と考え方は身に付けられます」と力強くお話された宮川さん。妹2人弟1人の4人姉弟の長女ということもあり、人の面倒を見ることが好きなところも、ママ秘書projectを進める上で、大きな力になっているように感じた。子育ては仕事のブランク期間ではなく、スキルアップ期間という捉え方も、仕事復帰を考えるママには心強い。子どもが保育園に入るなど、家で一人の時間が作れるようになったママにとって、『秘書』という働き方はこれからのキャリアの選択肢になると感じた。

お問い合わせ

名称:ママ秘書project

メール:noriko.bom@gmail.com

*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。