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アメリカ在住の兄の印鑑証明書について質問があります。
(1年前の記事です) 掲載日:2022/11/02
先日父が亡くなり我が家で相続が発生したのですが、そこでアメリカに駐在している兄の件で質問です。
アメリカに住んでいる日本人の方は、実印を登録しているのでしょうか?それとも日本在住時の印鑑証明書が有効となるのでしょうか?
これから色々と公的に手続きしなければいけないことが出て黒と思いますが、実印と印鑑証明書がないと遺産手続きできないですよね?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
海外いる相続人は、印鑑証明書の取得ができるのか?
弊所にご相談のある相続案件でも、海外にご相続人様が居るというケースは年々増えてきています。
そして、この2~3年は新型コロナウイルスの影響で帰国できないという事も発生しています。
このような場合はどのように進めていけば良いのでしょうか?
今回のご質問についてですが、先ず、「実印を証明するもの=印鑑証明」については住民票と紐づいているため、ご住所が海外で日本に居所がなければ当然に印鑑証明書の発行はできません。(というより登録がありません。)
また、日本在住時の印鑑証明書があったとしても、諸々の手続き上発行から3か月あるいは6か月以内の証明書の提出が求められることが多く、それ以上前の発行となると使用できない事がほとんどでしょう。
「実印」というのは日本特有のもので、海外ではサインが一般的です。
そのため、相続が発生し遺産分割協議書の作成などが発生した際には、日本大使館(あるいは領事館など)でサイン証明を発行してもらうことが必要となります。
遺産分割協議書作成までに戸籍の収集や財産目録を作成し、その情報を基に相続人様同士で分割内容を協議します。そして、遺産分割協議書作成の際には海外居住者の方が都度サインをしなくても済むように内容をよく考えて作成する必要があります。
遺産分割協議書にはこの様式ではないとダメというものはありませんが、作成の内容によっては逆に手間が発生したり、最悪の場合、協議書が元で揉めてしまったりということもありえます。一般の方が作成することも可能ですが、今回は専門家にご相談をした方が良いケースといえるでしょう。
相続人様が海外にいらっしゃる場合は、全員が日本にいるケースと比べ圧倒的に時間が掛かります。
このような場合は早めに専門家に相談をし、資料の取得など計画的に行動することをおススメします。
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