
名前:中嶋瑞希
住まい:あわら市
職業:あわら市市議会議員
「違ったら恥ずかしいんですけど…」
「実は、名前の由来をまだちゃんと確認できていないんです」
そう言って、少し照れたように笑ったのは、教育分野を中心に活動する若手議員・みずきさん。
「みずき」という名前は、ハナミズキに由来していると父親から聞いたことがあるという。
日本とアメリカをつないだ花として知られるハナミズキ。
“人と人、国と国をつなぐ存在になってほしい”
そんな願いが込められていたのかもしれない。
「違ったらちょっと恥ずかしいので、まだ確認できてなくて」
そう笑う姿は、とても自然体だった。でも取材を進めるうちに、その“人をつなぐ”という言葉が、彼女の人生そのものになっているように感じた。
「ちゃんとしている子」でいたかった
子どもの頃のみずきさんは、いわゆる“優等生”だった。
先生の話をしっかり聞き、
テストで良い点を取り、
「ちゃんとしているね」「えらいね」と言われることが嬉しかった。
周りの期待に応えることが、自分の価値だと思っていたという。
けれど大学院に進み、研究に向き合った時、初めて大きな壁にぶつかった。
研究には、決まった答えがない。
「自分は何を考えたいのか」
「どんな問いを持ちたいのか」
それを、自分自身で考えなければならなかった。
「私は“正解を出す”ことばかり頑張ってきたんだなって気づいたんです」
その言葉には、当時の苦しさがにじんでいた。
苦しかった時間が、今の想いにつながった
大学院での時間は、決して順風満帆ではなかった。
何度も悩み、自信をなくし、苦しい時間を過ごした。
修士論文も最後まで通らず、満期退学という形になったという。
それでも、みずきさんはその経験を隠さない。
「悔しかったです。でも、不思議と“終わった”とは思わなかったんです」
むしろ、その経験があったからこそ、強く思うようになったことがある。
「子どもたちには“誰かの正解”じゃなく、自分の人生を自分で考えられる人になってほしい」と。
点数だけでは測れないもの
「もちろん、勉強は大切です」
そう話しながらも、みずきさんは続ける。
「でも、本当に大切なのは、それだけじゃないと思うんです」
失敗しても立ち上がれること。
誰かと助け合えること。
自分で考えて、一歩踏み出せること。
そして何より、
「“自分らしく生きていい”と思えること」
そう語る表情は、とても優しかった。
“少しでも良くしたい”を積み重ねる
大学院を離れたあとも、みずきさんは教育の現場から離れなかった。
教育に関わる企業で、学校現場や教育データに関わる仕事を続けてきた。
理想だけでは変わらない現実。
予算の壁。
制度の難しさ。
それでも、「もっと子どもたちが生きやすい教育にしたい」という想いは変わらなかった。
そして今は、議員として地域に関わっている。
「一人で全部変えられるとは思っていません」
そう率直に話す一方で、
「小さなことでも、積み重ねれば街は変わっていくと思うんです」
とも語る。
議会のデジタル化。
情報発信の改善。
教育現場への提案。
目立つことよりも“今より少し良くすること”を大切にしている姿が印象的だった。
「誠実でありたい」
取材の中で、何度も出てきた言葉がある。
「誠実でありたい」
子どもたちに対しても。
市民に対しても。
行政に対しても。
そして、自分自身に対しても。
困っている声があれば、まず話を聞く。
分からなければ調べる。
必要なら現場へ行く。
派手ではない。
でも、その地道さこそが、この人の強さなのだろう。
名前に込められた願いのように
「この街で育ってよかった」
いつか、子どもたちがそう思える地域をつくりたい。
大人が互いを認め合い、
挑戦しても大丈夫だと思えて、
“自分らしくいていい”と感じられる街。
そんな未来を、本気で願っている人がいる。
取材を終えたあと、不思議と温かい気持ちが残った。
誰かを押しのけて前に出るタイプではない。
でも、人の話をちゃんと聞き、悩みながら、それでも前を向いて進んでいく人。
だからこそ、多くの人が「応援したい」と感じるのかもしれない。
“人と人、国と国をつなぐ存在になってほしい”
もし本当に、「みずき」という名前にそんな願いが込められていたのなら。
彼女は今、その名前の通りの道を、まっすぐ歩いている。

インタビュー後記
取材を終えたあと、不思議と温かい気持ちが残った。
みずきさんは、自分を大きく見せようとしない。優等生だったことも、大学院で悩み苦しんだことも、ありのままに話してくれた。その素直な言葉の一つひとつから、人としての誠実さが伝わってきた。
特に印象に残ったのは、「子どもたちには、自分の人生を自分で考えられる人になってほしい」という言葉だった。それは教育論ではなく、自身が悩み、遠回りしながら見つけた人生の願いのように聞こえた。
議員として語る姿も、どこか等身大だった。大きなことを約束するのではなく、「今より少しでも良くしたい」と目の前の課題に向き合う。その地道な積み重ねこそが、地域を支える力になるのだろう。
取材中、何度も感じたのは「この人は本当に子どもたちの未来を大切に思っている」ということ。
だからこそ、話を聞けば聞くほど、頑張ってほしい、応援したいという気持ちになった。
子どもたちが「この街で育ってよかった」と思える未来へ。
黒川 公崇
2026/06/22(月)