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日本国籍の父と韓国籍の母の間の二重国籍の子
(1年前の記事です) 掲載日:2022/12/04
日本国籍の父(私)と韓国籍の母の間に子供がいます。現在は未成年で二重国籍なのですが、将来的に成年した場合、日本国籍もしくは韓国籍を選ばなければいけないと思いますが、相続をするに当たり私の子供は日本国籍を選ぶ方がいいか韓国籍を選ぶ方がいいか両国の法律で特徴のある決定的な違いがあれば教えて下さい。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
両国の相続法に大きな違いはありません。
お子さんが、日本国籍を選択した場合と、韓国籍を選択した場合で相続にどのような違いが生じるかというご質問ですが、二つの場合に分けて考える必要があろうかと思います。
まず、K様もしくは奥様がお亡くなりになった場合の相続については、どちらの国籍を選んだかによって違いは生じません。
日本と韓国を考える限り、相続において適用される法律は、お亡くなりになった方の本国法が適用されます。
つまりお子さんがどちらの国籍を選んだとしても、K様の相続については日本の法律、奥様の相続については韓国の法律が適用されることとなります。
一方、お子さんがお亡くなりになった場合の相続では違いが生じます。お子さんが日本国籍を選ぶと、日本の民法が法律されることになるのに対し、韓国籍を選ぶと、韓国の法律が適用されることになるからです。
とはいえ、両国の相続法は大変類似しており、大きな違いはありません。遺産分割や相続放棄、遺言や遺留分など制度枠組みは同じです。
相違点を2点ご紹介すると、まず配偶者の法定相続分が違います。配偶者の法定相続分は、韓国では他の相続人の1.5倍と定められています。配偶者が常に半分以上の法定相続分をもつこととなる日本に比べると、配偶者の法定相続分が少ないのが特徴です。
また、レアケースではありますが、韓国では、おじさんおばさんや、甥、姪も相続人となることがあります。日本に比べて相続人となる範囲が広いです。
とはいえ国籍選択を誤って、相続で思いがけない損をするということは、あまり考えられないかと思います。
国籍の選択に当たっては、気持ちの問題や、将来どちらの国で居住されるのか、あるいは兵役のことなどを考えて、選択されるとよろしいかと思います。
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