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今回、初めて身内が亡くなったので銀行含め現在多くの解約手続きに四苦八苦しています。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/09/01
今回、初めて身内が亡くなったので銀行含め現在多くの解約手続きに四苦八苦しています。
父が持っていた複数の銀行口座の手続きをしようとしたのですが、戸籍謄本が必要と記載があり、私含め家族全員韓国籍なので戸籍謄本がありません。
各銀行に問い合わせたところ父の死亡が記載されてる証明書、父と家族の関係が分かるもの が必要と言われました。
窓口の方からは「今は相続手続き代行に頼むのが一般的で簡単ですのでそちらに頼んでみてはいかがですか?」と言われました。
こういう手続きは誰に頼むのが一般的なのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
お父様がご逝去されたとのこと、先ずはお悔やみを申し上げます。
ご家族皆様が韓国籍とのことですが、最近、弊所でもご依頼を頂いた相続人様の中に外国籍の方がいらっしゃるというご相談が増えてきたように思います。
今回のように、日本在住の外国籍の方の手続きというのは、日本人の手続きよりも煩雑になることが多いです。
当然、初めて経験される方も多く、この手続きだけで参ってしまうのではないでしょうか。
そもそも、日本在住の外国籍の方の相続はどちらの国の法律が適用されるのでしょうか。
実は、この場合、日本では「被相続人の本国法による」とされ、今回の場合、韓国の法律にも、「相続は死亡当時の被相続人の本国法による」と定められていることから、在日韓国人の相続手続きは、韓国民法の規定に従って進めるのが原則となります。
ただし、遺言書に「私の相続は日本の法律を適用してください。」などの文言があったり(死亡時に日本に在住している場合)、生前に日本に帰化しているのであれば、日本の法律に従い進めることができるケースもあります。
さて、このような場合、どのように進めればよいのでしょうか。
日本人であれば、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍を揃え相続人を確定することから始まります。
今回は韓国籍とのことですが、実は韓国にも日本の戸籍制度と似たようなものがあります。
先ずは、この書類を取得することから始めましょう。住民票については日本在住であれば取得できるので問題ありません。もちろん、住民票の除票も取得できます。併せて、韓国大使館にて「家族関係証登録簿」を取得しましょう。
そして次にこれを翻訳することが必要となります。集めた戸籍関係書類を翻訳してもらい(1枚当たり数千円の費用が発生することが多いですが)、亡くなった方と相続人の関係性が分かるよう、相続関係説明図を作成します。一般的にここまでが時間がかかるところですね。
ちなみに関係者全員が日本人であれば、戸籍収集後に法定相続情報証明制度を利用できますが、相続関係者の中に一人でも外国籍の方がいるとこの制度は利用できません。
今までお話をした書類とその翻訳、相続関係説明図が完成したら、相続人の皆様で遺産分割協議書を作成します。これは日本人の相続の流れと同じですね。(※遺産分割協議書の作成も本国の法を十分に確認する必要があります。)
そしてこの協議書と上記の書類を金融機関に提出することにより、亡くなった方の口座がようやく解約できることになります。
金融機関の手続きについては、各金融機関によって多少流れや必要書類が変わることがありますので、事前に解約までの流れを確認しておいた方が良いでしょう。
今まで述べたように、相続関係者の中に外国籍の方がいるとその手続きは煩雑になります。
一般的には私のような行政書士や弁護士、司法書士さんにご依頼をされた方が確実かと思います。
ただし、どの士業に頼むにしても相続を専門業務にされている方が望ましいと思いますので、ご依頼の際にはよくご確認ください。
弊所では各士業との連携を図っておりますので、ご依頼者様に余計なご負担を掛けずに対応が可能です。お困りであれば、お気軽に弊所までご連絡ください。
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