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会社を売りたいのです
掲載日:2024/03/01
資本金2000万円、創業20年の会社(足立区)を売却したいと思います。今は無資産・無借金経営です。
社長の私と従業員1名で三菱東京UFJ・三井住友・地元信金に当座預金口座があり、欠損金が約5000万円ありますので、利益の出せる方には好適な節税会社です。隠れ借金等が心配でしたら、何なりとお申し出下さい。
なんとか1千万円以上で売却したいと思っています。具体的には全株式を譲渡し、既存役員は退任します。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
事業シナジーを目的とした買収であれば、1,000万円以上で売却できる可能性もあります。
ただし、ご相談の内容だけでは事業内容や売上、利益の水準がわからないため、判断は難しいです。
一般的には、買収後も対象会社が既存事業を継続するのであれば、適格合併で買手が欠損金を活用することができる可能性は高いです。
その場合、買手は欠損金による節税分を株価の金額に加味することもあります。
ただし、これはあくまで買手の判断次第になりますし、欠損金を99%活用できるとわかっていても交渉術的に税務リスクを過度に気にするフリをして欠損金の価格を反映させない買手も存在します。
そのため、買手に欠損金の節税効果も考慮して株価を考えてほしいときには、インフォメーション・メモランダム(IM)でしっかりと欠損金を考慮したキャッシュフローシミュレーションを伝える努力をするとよいでしょう。
(欠損金があと何年間使えて、利用するとどの程度キャッシュフロー改善に寄与するのかなど)
なお、Wさんの会社に事務所がなかったり、売上が生じていなかったりする場合には、みなし共同事業要件を満たさない可能性が高くなります。
その場合、買手が買収したとしても欠損金の利用はできず、欠損金の価値を認めることはないでしょう。
そもそも欠損金のある休眠会社の売買など、節税目的のみでの買収は税務否認リスクが高くどこも欲しがりません。
欠損金を活用できるのは、あくまで事業シナジーのあるM&Aの話であることを理解しておきましょう。
ご質問を多く頂いています。回答には時間がかかる場合があります。