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掲載日:2023/12/15

ここ数年末端冷え性で悩んでいます。指先だけ常に冷たいんです。

ネットで色々調べているのですが打開策も見出せず結局はお風呂に入る時間を長くするなど温めている程度で根本的解決には至っていません。これから冬に突入する前に何とかこの末端冷え性を治したいと思っています。

どうすれば治りますか?

※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

板橋区民ミカタお答えします
松田 伊織
板橋区民ミカタお答えします
kampo kitchen 代表 東洋医学研究者
松田 伊織

末端冷え性でお悩みなのですね。

漢方医学の観点から見ると、冷え性にはさまざまなタイプがあります。”何”から冷えがきているかを把握することが大切です。

代表的なタイプを挙げてみましょう。

例えば冷え以外にも、虚弱体質で特にお腹が弱く消化吸収力が低下しているタイプは「気虚」だと考えられます。

気虚とは、身体のエネルギーが低下している状態で、いわゆる元気が不足している状態ととらえます。気が不足すれば、代謝も体力も低下してしまうので、体温自体も低下し冷えが身体の芯から進行します。この場合は、「補気」を中心にお腹の冷えをとりながら体全体の体温上昇を狙います。代表的な処方ですと、真武湯や人参湯などがよく使われ、胃腸の働きを改善しながら冷えを改善させていきます。

あるいは、女性によくみられるのは血行が悪い場合の末端冷え症です。漢方医学では「血虚」や「瘀血」タイプが考えられます。

血虚とは血が不足している状態、瘀血は血流が悪く、身体全体に酸素栄養を含む血がうまく運搬されないことを指します。

漢方医学では血虚には「補血」をし、瘀血には「活血」を中心に、良質な血を補いながら、末端まで血流を改善し、冷えを改善させていきます。代表的な処方として、桂枝茯苓丸や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などが使われます。

このように、漢方医学では冷え性のタイプごとに適した漢方薬が用意されています。これらは現代医学的な症状にも対応し、特に不定愁訴のような診断名のつかない不調にも対応します。ただし、漢方薬だけでなく、同時に生活習慣の改善も重要です

基本的には、規則正しい食事、定期的な運動、良質な睡眠、ストレスを避ける生活などが重要です。

これらのアドバイスを守りつつ、漢方医学を活用して寒い季節を乗り切りましょう。

松田 伊織 先生 (kampo kitchen 代表) の回答一覧

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