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市川猿之助さんの家族の心中の問題
(1年前の記事です) 掲載日:2023/06/28
市川猿之助さんのご家族の心中の問題に心を痛めています。
しかしながら私も父を介護し辛い日々を送っているだけに彼の気持ちが分からない訳でもなく、何とも複雑な心境です。
報道では猿之助さんが生まれかわるという思想、考えを口にしていたとの事ですが仏教にこの様な考え方はあるのでしょうか?
ちょっと深い質問ですみません。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
ご質問ありがとうございます。
私は市川猿之助さまがどのような方でどういう境遇なのか存じ上げませんので、「生まれかわるという思想・考え方が仏教にあるのか」ということについてお話ししたいと存じます。
まちまち生まれ変わりの思想は、日本にある仏教の宗派によって区々ですが、仏教の根底にある大きな思想です。
この場合の生まれ変わりを輪廻転生とします。輪廻転生は魂が今の肉体を出て行って、また 別の世界に生まれ変わることです。
仏教では 6 つの世界があると説きますので、亡くなっ た際には、そのうちのどこかに生まれ変わるという思想です。
また輪廻転生とは違い、往生という思想もあります。 これは「生まれ往く」という意味ですが、いまの世界から仏さまのおられる浄土に往くという思想です。浄土は清浄国土という意味で、一番有名なのは、阿弥陀如来様がおられる「極楽浄土」です。
輪廻転生は、いわゆる悪いことをした場合によくない世界に生まれ変わる思想ですが、往生の場合は、そのままで仏さまの世界に生まれ往くことができる。
むきけれども仏教をお開きになった釈尊は「無記」(あの世があるとかないとか分からない。だから答えない)という態度を執られました。
生まれ変わりと一口に言っても、いろいろな見方がありますので、お近くのお寺に聞いてみるのもよいことかも知れません。
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