まちの仕事人インタビュー
音楽の感動を再現する挑戦
株式会社アスカ 代表取締役 浅井 和文 (あさい かずふみ) さん インタビュー

株式会社アスカを経営している浅井和文さん。名古屋出身で、長年印刷会社に勤めた後、定年を機に起業。少年時代から音楽に親しみ、大学時代にはオーディオ機器の自作やショップでのアルバイトを経験するなど、その情熱は一貫して続いている。現在は「世界初・世界唯一」のオーディオ製品の開発にこだわり、一人メーカーとして理想の音を追求し続けている。音楽の感動をより深く届けたいという想いを胸に、日々研究と開発に取り組んでいる。

今の仕事を始めたきっかけを教えてください

音楽が好きになったのは小学生の頃からで、自然とオーディオにも興味を持つようになりました。大学時代には自分でアンプを作るなど、音を追求する楽しさにのめり込んでいきました。ただ、どれだけ高価な機器を揃えても「本当に聴きたい音」には届かないという違和感がずっとありました。社会人になってからもその思いは消えず、理論的に改善できるはずだと考え続けてきました。そして定年を迎えたタイミングで、長年温めてきた構想を形にしたいと決意し、この仕事を始めました。

会社設立までの経緯を教えてください

会社員時代は印刷業に従事しながら、オーディオへの探究心を持ち続けていました。定年前から有給休暇などを活用し、さまざまなオーディオメーカーを訪ねては意見を聞き、自分の理論を磨いていきました。どのような製品を作るか、誰に届けたいのかを明確にし、協力してくれる加工会社も探し続けました。そして定年からわずか10日後に会社を設立。構想段階から含めれば長年の準備期間を経てのスタートでした。すぐに製品が揃ったわけではなく、理想を形にするまでには数年を要しましたが、その過程も含めて大きな学びとなりました。

会社の特徴を教えてください

当社の最大の特徴は、「世界初・世界唯一」の製品しか作らないという点です。既存の製品を改良して競争するのではなく、誰も手をつけていない領域に挑戦しています。採算や量産性の観点から大手企業では実現しにくいアイデアでも、一人メーカーだからこそ形にできる強みがあります。また、製品はすべて理論に基づいて設計しており、「なぜ音が良くなるのか」を明確に説明できる点も特徴です。大量生産ではなく、本当に必要とする方に届けるためのものづくりを大切にしています。

「安心・満足・信頼」を商品とともに届けることが大切

お仕事で大切にしていることを教えてください

大切にしているのは、製品そのものだけでなく「安心・満足・信頼」を一緒に届けることです。どんなに良い音であっても、安全で安心して使えなければ意味がありません。そして期待を超える満足を提供し、信頼関係を築くことが何より重要だと考えています。そのため、ご購入の有無に関わらず、お客様には丁寧に向き合い、最適な使い方や環境づくりまでサポートしています。音は実際に体験していただくことが大切なので、可能な限り現地に足を運び、直接お伝えすることも心がけています。

この仕事のどんなところが好きですか?

一番の魅力は、お客様が音の変化に驚き、喜んでくださる瞬間に立ち会えることです。音は言葉だけでは伝えきれないため、実際に体験していただくことで初めて価値が伝わります。その場で「こんな音は初めてだ」と感動していただけることが、何よりのやりがいです。自分が長年追い求めてきた理想が形となり、それが誰かの喜びにつながる。この連鎖こそが、この仕事の醍醐味だと感じています。

今後やりたいこと等、展望を教えてください

今後も引き続き、音の本質に迫る製品開発を続けていきたいと考えています。現在は吸音材を中心に展開していますが、カートリッジなど新たな分野にも取り組んでいます。レコードの溝に刻まれた情報をいかに正確に再現するかという課題に対し、独自の技術で挑戦を続けています。まだ改善できる余地は多く、開発に終わりはありません。これからも理論と実験を重ねながら、より多くの方に音楽の本来の魅力を届けていきたいと思っています。

成功哲学を教えてください

私の考えは非常にシンプルで、「理論的に正しいものは必ず結果に現れる」というものです。長年の経験から、音の良し悪しには必ず理由があると確信しています。そのため、感覚だけに頼るのではなく、原因を突き詰めて改善していくことを大切にしています。また、自分のやりたいことを信じて続けることも重要です。私は長い年月をかけて構想を温め、ようやく形にすることができました。すぐに結果が出なくても、信念を持って積み重ねていくことが、最終的な成果につながると考えています。

インタビュー後記

穏やかな語り口の中に、長年積み重ねてきた探究心と確かな理論を感じました。浅井さんが「世界初・世界唯一」にこだわる姿勢は、単なる差別化ではなく、音楽の本質を追い求める純粋な想いから生まれているものだと感じます。特に印象的だったのは、お客様が音の違いに驚き、喜ばれる瞬間を何よりのやりがいとされている点です。その言葉からは、ものづくりに対する誠実な姿勢と情熱が強く伝わってきました。好きなことを信じて続けることの大切さを改めて教えていただいた取材でした。

お問い合わせ

株式会社アスカ

所在地:〒175-0082 東京都板橋区高島平1-76-14-601

TEL:03-6321-1968

HP:https://aska-audio.com

*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。