【プロフィール】
名 前:和合大樹(わごう たいき)
役 職:株式会社EMISORA 取締役
担 当:子育て支援、地域コミュニティづくり、飲食・居場所事業(コミュニティカフェ「Parklet Café」)
地 域:神奈川県川崎市(川崎区・中原区・高津区を中心に)
特 徴:学生時代から地域に飛び込み、父となって当事者に。地域と向き合う“若き父”として、持続可能な支援の仕組みづくりに挑む
■ “地元・川崎”で育ち、地域との関係が人生の軸に
「僕にとって“川崎”は、生まれ育った場所以上の意味を持っています。
幼稚園・小学校・中学校・高校とずっと川崎市で過ごし地域の方々に育てていただきました。」
東住吉幼稚園から今井小学校・今井中学校、橘高校へ。
その後、明治大学進学を機に少し遠出はしたものの、ふと気づくと地元に戻り、地域活動に深く関わる毎日が始まりました。
「幼い頃から、祭りや町会の行事に参加していました。商店街のおじさん、おばさんが“今日も来たね~”と声をかけてくれて。
その“誰かが見てくれている”感覚が、僕にとって安心であり、同時に“この街に何かを返したい”という想いを自然と育ててくれたんです。」
町会・神輿・商店街・青年団体…。
学生のうちから地域団体の活動に飛び込み、顔を覚えてもらい、「若い人が来てくれると助かるよ」と言われることにやりがいを感じたと言います。
「“地域に飛び込む”というのは、大げさなものではありませんでした。ただ、顔を出して、話を聞いて、手伝えることを手伝う。
その繰り返しが、いつのまにか僕の当たり前になっていました。」
この“飛び込み続ける”姿勢こそが、和合さんの現在の活動の基盤となります。
地域の声を、“関わる人”としてではなく“当事者”として聞く。
その姿勢が、一貫しているのです。

■ 学生時代から“若者が地域を変える”という志を持って
「学生の立場で、地域を変えられることは限られているかもしれない。でも、関わる“きっかけ”をつくることはできる。
だから、同世代の学生と“地域を知る・地域に関わる”機会を作りたかったんです。」
その想いから、ローカルWebメディアや若者団体を立ち上げ、地域の情報を発信する活動を始めます。商店街の魅力、地域イベント、町会の声。それらを取材し、記事にして、地域の皆さんを繋ぐ若者としての役割を担いました。
さらに、町会や神輿会、地元商店街や青年団体(JC・法人会・同友会・工場協会)など、多様な地域団体とのつながりを築きました。
「どの団体も“地域をよくしたい”という想いは同じ。でも、若者がいない、人手が足りない、つながりが希薄…。
その“すき間”に僕自身が入り、顔を出し、話を聞いて、手を動かすことを心がけておりました。」
このように、学生時代から“地域に飛び込む”という習慣と、地域の現場に身を置き続ける姿勢を培ったことが、和合さんの強みとなります。

■ 父になって初めてわかった、“子育て支援”のリアル
「子育て支援」という言葉を、当事者として捉えたのは父親になってからでした。
「“支援が必要”というのは、どこか抽象的で、自分には関係ないと思っていました。
でも、仕事・家事・育児を同時に抱えるなかで、その言葉がどれだけ切実かを実感しました。」
24歳で第一子が生まれるも、仕事は多忙で朝から晩まで働く日々。
家事・育児・仕事を一人で抱えようとしたとき、どうしても“余裕”が失われていく瞬間があったといいます。
「妻には負担をかけてしまったし、家庭の時間も思うように取れず、悔しい思いがたくさんありました。
でも、振り返ると、それが“家庭の努力だけでは支えきれない”ことを教えてくれたんです。」
子どもが生まれた瞬間、その命の尊さと、同時に感じたプレッシャー。
「第二子の時、初めて出産に立ち会ったとき、胸が熱くなりました。そして“この社会の女性たちが背負ってきたもの”を改めて尊敬しました。」
この経験が、“子育て支援”への想いを、彼の中で明確な使命へと変えました。
「子育て支援とは、制度を整えることも重要ですが、まずは日常の“居場所”や“つながり”をつくることだと思います。
家庭だけで頑張る必要なんてない。地域も、社会も、手を差しのべて当たり前のものにしたいと強く思いました。」

◾️「Parklet Café」で “地域の居場所”という形の子育て支援を
その想いを形にしたのが、武蔵新城にオープンしたコミュニティカフェ「Parklet Café」。
和合さんは取締役として、共同経営に携わっています。
「“子どもと来られるカフェ”“地域の人がふらっと立ち寄れる場所”を作りたかった。
でも、それだけでは足りない。“世代を超えて皆が居心地の良い”場でを作りたいと思いました。」
親子連れはもちろん、高齢者、働くサラリーマン、学生…あらゆる人が居心地よく過ごせるカフェ。
レンタルスペース機能も併せ持ち、地域のイベント、子育て講座、学びの場、交流会などで今後は利用していくと言います。
「居場所があることで、人は支え合える。
子育て中の親が安心してひと息つける場がある。それだけで、地域の支え合いは自然と育つんです。」
さらに、カフェを運営しながら、地域の活性化と“持続可能な支援モデル”づくりにも注力しています。
「社会的意義がある事業ほど、続けるのが難しい。でも、“続けられない”では意味がない。
だからこそ収益化の仕組みをつくり、ビジネスとして回るように挑戦しています。」
和合さん自身、裏方として皿洗いや配膳など現場にも立ちながら、仕組みづくりや広報、営業、資金繰り等の経営に向き合っています。
「“理想だけ”では動けない。現場を知った上で仕組みをつくること。それが“地域で支える文化”を根付かせる第一歩だと思っています。」

■ 「誰もが挑戦でき、努力が報われる社会へ」若き父が描く未来
和合さんの言葉には、いつも“挑戦”のキーワードがある。
「誰もが挑戦でき、努力が報われ、そして“努力したい”と思える社会をつくりたい。
特に、これまで政治や支援の目が届きにくかった女性や若者が、自分らしく活躍できる社会を実現したいんです。」
その想いは、地域活動のひとつひとつ、カフェのひとつひとつに宿っています。
「いきなり社会全体を変えることはできません。
でも、小さな事業、地域での実践、そして政治での一歩一歩の積み重ねが、やがて大きな変化を生みます。」
彼自身、25歳という若さで地域活動・子育て・経営を並行しながら、「責任ある若者」として地域に立っています。
「川崎という街が僕を育ててくれた。だからこそ、ここから返したい。
2人の子どもを父として育てながら、家庭の役割も大切にしつつ、地域の未来にも責任を持ちたいと思っています。」

■ 「家庭の努力」から「社会の支え」へ。川崎から、子育てしやすい日本を
出産の瞬間、そして日々の育児の中で感じたことは、「子育ては家庭だけじゃ支えきれない」という強い実感でした。
「子どもを育てることは、頼ってもいい。
それが当たり前の社会にしたい。
そして、制度だけでなく文化を変えたいんです。」
少子化が進む中、支援は“あったらいいね”から“当たり前”に変わらなければなりません。
和合さんは、「ここから変える」という強い覚悟を語ります。
「この街で、誰もが安心して子育てできる社会のモデルをつくりたい。
そして、そのモデルを全国に広げたい。
家庭の努力だけでは限界があります。社会の支えをつくることが、僕の使命です。」
静かな語り口の中に、地域を愛し、子育てを当事者として受け止め、未来を想う若い父の覚悟が伝わりました。

■ お知らせ
【Parklet Caféではクラウドファンディングに挑戦中!】
https://camp-fire.jp/projects/876187/view
Parklet Caféでは、コミュニティカフェに必要な、地域情報掲示板、ベビーチェア、バウンサー、バンボ、おむつ替え布団、おむつ替え用目隠しパネルなどを買うために、クラウドファンディングに挑戦しているそうです。
期限は11月30日までということで、ご興味のある皆さまは、ご協力お願いいたします。
インタビュー後記
今回の取材で強く印象に残ったのは、和合さんが「地域の当事者」「家庭の当事者」として、未来のために挑戦している姿です。
働き、育て、関わり、支える。その連続の中に、未来を変える小さな一歩が詰まっていました。
川崎の街で、今日も新しい“居場所”がつくられています。
お問い合わせ
● 活動概要
Parklet Café(パークレット カフェ)
所在地:川崎市高津区新作5丁目16-1
営業時間:11:00〜17:00(夜は貸切)
(レンタルスペース Coming soon...)
定休日:日~火
株式会社EMISORA
設立:2022年3月3日
代表:代表取締役 相澤 郁美
事業内容:子育て支援事業/人材育成事業/飲食事業
所在地:川崎市川崎区浅田2-18-12
お問い合わせ:株式会社EMISORA 取締役 和合大樹(E-mail:parkletcafe@gmail.com)
しみず
2025/11/20(木)