
独立とこれまでの歩みについて教えてください
若い頃に子どもが二人いて、とにかく「やればやっただけ収入になる仕事」をしたいと思ったんです。以前は建築の仕事で日給制でしたが、今の仕事は技術がそのまま収入に直結する。手に職が残るところにも魅力を感じました。25、6歳で独立して、そこから約20年、個人事業主としてやってきました。
前の職場では、どうしても集団行動や組織のルールに馴染めなくて。納得できないやり方に妥協するのが苦手な性格なんです。だったら自分の責任で、自分のやり方で請け負おうと。それが今のスタイルにつながっています。
現在はどのようなお仕事をされていますか
個人宅の外装リフォーム工事がメインです。長年お付き合いのある工務店さんや、外装専門業者さんからの紹介が中心ですね。エリアは神奈川県全域と、東京都の杉並区や練馬区など。元請けのハウスメーカーさんの担当地域によって、いろいろな場所へ行きます。
ありがたいことに建設ラッシュもあって、仕事が途切れることはありません。ただ、事業を広げたい気持ちはあるのに、人が集まらないのが課題です。以前は従業員を雇ったこともありますが、今は募集してもなかなか難しい。自分が常に現場に出ているので、新規開拓の時間もなかなか取れないのが現状です。
仕事をするうえで大切にしていることは何ですか
まずは施工品質です。「誰が見ても綺麗」と思ってもらえる仕上がりを目指しています。それと、現場の整理整頓。これは徹底していますね。
あとはお客様とのコミュニケーション。挨拶や丁寧なヒアリングは欠かしません。工事とは直接関係のない悩みを聞くこともありますが、できるだけ寄り添う姿勢で向き合うようにしています。「あの人に頼んで良かった」と言ってもらえるのが一番嬉しいですね。

施工before

施工after
この仕事ならではの喜びはありますか
屋根の上から見る夕方の景色ですね。これは本当に特権だと思います。地上からは見えない景色が広がっていて、夕日に照らされて影になる富士山や、紫色に染まる空とか。現場ごとに全然違う景色があって、大変な中でも「ああ、やっててよかったな」と思える瞬間です

仕事終わりの喜びの写真(撮影者:武本さん)
今後の目標を教えてください
まずは短期的に、一緒に働いてくれる人を見つけること。今年中に実現したいですね。今は一人で動いているので、人材確保ができないと次に進めません。
長期的には、会社を株式会社にして、従業員を多く抱える会社にしたいです。今は屋根や板金工事が中心ですが、塗装や電気工事なども含めて、すべて自社で一貫対応できる総合的な会社にしていきたい。それが将来の夢ですね。
インタビュー後記
「やればやっただけ結果になる仕事がしたかった」――。
武本さんの言葉には、若くして家族を支える覚悟を決めた職人の原点がにじんでいました。
25、6歳で独立し、約20年。組織に合わせるのではなく、自分の責任で、自分のやり方で仕事を貫いてきた歩みは、決して平坦ではなかったはずです。それでも仕事が途切れないのは、確かな技術力だけでなく、「誰が見ても綺麗」と言える仕上がりへの徹底したこだわりと、お客様に寄り添う姿勢があるからでしょう。
屋根の上から見る夕景の話をされるときの、少し柔らいだ表情が印象的でした。地上からは見えない景色を知る人。その特権をかみしめながら、今日も高所で黙々と手を動かす――そんな姿が目に浮かびます。
人材確保という現実的な課題と向き合いながらも、将来は株式会社化し、すべてを自社で担える総合会社へ。武本さんの夢は、職人としての誇りの延長線上にありました。
お問い合わせ
武本板金
〒206-0823 東京都稲城市平尾3-7-5 平尾住宅53-302
TEL:090-1699-0775
E-mail:takemotobannkinn.m@gmail.com
*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。