
株式会社シネマチックを経営している重徳明彦さん。愛知県豊田市出身で、学生時代から音楽に打ち込み、バンド活動を中心に歩んできた。大学卒業後も就職の道には進まず、アルバイトや派遣をしながら音楽を続ける日々を送る。転機となったのは自身の結婚式で制作した映像だった。その経験をきっかけに映像制作の道へ進み、現在はウェディングムービーから企業向け映像まで幅広く手がけている。足立区を拠点に、地域に根ざした活動にも力を注いでいる。
今の仕事を始めたきっかけを教えてください。
この仕事を始めたきっかけは、自分たちの結婚式でした。当時、知人に制作してもらった映像が周囲からとても好評で、「これを仕事にできるのではないか」と思ったのです。それまでは音楽活動を中心に生活しておりましたが、子どもが生まれるタイミングでもあり、生活を支える必要がありました。そこで自らホームページを作り、映像を掲載して販売を始めたところ、全国から注文が入るようになりました。思い切って一歩踏み出したことが、現在の仕事へとつながっています。
会社設立までの経緯を教えてください。
当初は個人でスタートしましたが、依頼が増えるにつれて事業としての形を整えていきました。ウェディング業界とのつながりがなかったからこそ、既存の枠にとらわれずに取り組めたことが、結果的に強みになったと感じています。ホームページを軸にした集客も時代の流れと合致し、事業は順調に拡大しました。その後、売上規模の拡大に伴い法人化し、現在の株式会社シネマチックへと至っています。振り返ると、その時々で必要な選択を積み重ねてきた結果だと思っています。
会社の特徴を教えてください。
当社はウェディング映像だけでなく、企業向けの映像制作にも力を入れている点が特徴です。特にコロナ禍をきっかけに事業の幅を広げ、採用動画や広告動画、企業紹介映像などを手がけるようになりました。また「アダチシネマ」という取り組みを通じて、地域企業の魅力を発信する活動も行っています。さらに、北千住の街中で撮影するウェディングフォトなど、地域の空気感を活かした新しい企画にも挑戦しています。時代や場所に合わせて柔軟に変化し続けることが、当社の強みです。
「あの人だから安心して任せられる」と思われる存在であることが大切

お仕事で大切にしていることを教えてください。
大切にしているのは、映像の先にある価値です。ウェディングであれば思い出として残ること、企業案件であれば採用や売上につながることを意識しています。また、近年は人間力の重要性を強く感じています。AIの進化によって多くのことが代替される時代だからこそ、「あの人だから安心して任せられる」と思っていただける存在であることが大切だと思っています。技術だけではなく、人としての信頼が価値になる時代だと感じています。
この仕事のどんなところが好きですか?
好きなところは、自由に挑戦できる点です。やりたいと思ったことを形にできる環境は、自分にとって大きな魅力です。また、スタッフが現場で良い仕事をして、お客様に喜んでいただけたという話を聞く瞬間にもやりがいを感じます。以前は自分自身が現場に立つことが多かったのですが、今はチーム全体で価値を提供できていることが嬉しいですね。それぞれが力を発揮している様子を見ることが、何よりの喜びです。
今後やりたいこと等、展望を教えてください。
今後は企業向け映像をさらに強化するとともに、地域との連携を深めていきたいと考えています。大学生と地域企業をつなぐ取り組みなどを通じて、若い世代と企業が直接対話できる場を作っていきたいです。このような考えに至った背景には、身近に政治家である兄の存在があると感じています。人や地域がどう成り立っていくのかを考える機会が増え、教育や人間形成の重要性にも意識が向くようになりました。足立区の企業が元気になり、地域全体が活性化していくような流れをつくっていきたいと考えています。
成功哲学を教えてください。
「いいことだけを思い出す」という姿勢を大切にしています。細かいことにとらわれすぎず、ある程度の鈍感さを持つことも必要だと感じています。また、正しさよりも自分の好き嫌いで判断することも意識しています。さらに、2016年に体調を崩して入院した経験があり、その出来事をきっかけに働き方や生き方について考えるようになりました。現在は「80歳まで現役で働く」という目標を持ち、日々を大切に過ごしています。完璧を求めるよりも、その時々で納得できる選択を続けていくことが大事だと思っています。
インタビュー後記
穏やかな語りの中に、深い経験と確かな信念を感じさせてくれた重徳さんでした。特に印象的だったのは、地域への想いの背景にあるご家族の存在や、ご自身の体験から生まれた価値観です。病気を経験したことで見つめ直した人生観、そして人や地域に向き合う姿勢は、とても自然で力強く感じられました。映像制作という枠を超え、地域の未来に関わろうとする姿に、大きな可能性を感じます。これからどのような広がりを見せていくのか、今後が楽しみになる取材でした。
お問い合わせ
株式会社シネマチック
〒120-0034 東京都足立区千住1-39-4-601
TEL:03-5284-7937
HP(アダチシネマ):https://www.adachi-cinema.com/
HP(北千住すぎるウェディング):https://www.cinematic.jp/pages/kitasenjusugiru
*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。