まちの仕事人インタビュー
スティーブ・ジョブズの要請で『MOSA』を創設。IT業界一筋40年、常に時代の最先端を歩んできたエバンジェリストがSNS、動画、生成AIでの集客&採用を指南!
株式会社ハイパーメディアマーケティング 代表取締役 菅野 弘達 (かんの ひろみち) さん インタビュー

【プロフィール】

1965年、東京墨田区両国生まれ

1979年、産業能率短期大学  能率科  経営情報処理専攻  卒業

2003年、日本大学  商学部商業科(通信教育部)  卒業

2005年、多摩大学大学院  経営情報学研究科  修士課程終了  MBA

2020年、社会情報大学院大学  先端教育研究所  実務教員養成課程修了


【略歴】

1979年  富士銀コンピュータサービス入社、翌年、富士銀行(現みずほ銀行)システム開発部へ出向

1990年  (社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会入社

1997年  Machintosh OS Software Association(MOSA)創設、初代事務局長

      エーアンドエー株式会社(建築CAD業界2位)  入社

2006年  独立  大妻女子大学OMA(大妻マネジメントアカデミー)講師任用  

      青山学院大学社学連携研究センター(SACRE)特別研究員任用

2012年  株式会社ソーシャルメディアマーケティング設立

2017年  流通経済大学客員講師任用

2024年  社名を株式会社ハイパーメディアマーケティングに変更

SEの落ちこぼれからiPhoneに繋がる『MOSA』を創設、初代事務局長に!!

SNS、動画、生成AIのセミナー・コンサルで全国からオファーを受けるITのエバンジェリスト

銀行系SEからPCの業界団体へ

  1979年、まだ大型コンピュータの時代、都市銀行のシステム開発を担当するSEとして、私はキャリアをスタートさせました。しかし、膨大なプログラム数と終わりの見えない開発に心身が擦り減ってしまい、5年余りの勤務の末、自ら辞表を提出しました。SEとして落ちこぼれてしまったものの、時代はパソコン黎明期の1990年代。私は知人の紹介で、日本ソフトバンク(当時)孫正義代表が設立したパソコン関連の業界団体(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会に転職、産・学・官の連携による研究、研修、セミナー、イベントの企画・運営を担当することになりました。当時、パソコンソフトの開発会社は中小企業ばかりで、自社で新入社員研修ができるところがなく、協会の副会長だった孫社長に講師を依頼、パソコン業界の明るい未来を笑顔で語った姿を今でも鮮明に覚えています。

AppleJapanの依頼でMOSA設立

  ちょうどその頃、iPhoneの開発が始まる前、Apple社CEO スティーブ・ジョブズは、iPhoneのアプリを開発するプログラマーの育成が急務だと気付き、世界中の支社にプログラマーを育成する組織を作るようにと指示を出しました。日本では、Apple Japanのマーケティング部長(その後社長)だった原田泳幸さんより協会に依頼があり、私が担当者に。Machintoshのソフトウェア開発者を育成する組織「MOSA」(Machintosh OS Software Association)を、多くの業界関係者のご協力を得て創設、初代事務局長に就任したのでした。iPhoneも使い易いアプリが無ければ “ただの箱” ですが、日本でのシェア5割を占める理由は、「MOSA」メンバーである開発者の努力に寄るところが大きいと感じています。と同時に、改めてスティーブ・ジョブズの先見性と戦略の素晴らしさに驚くばかりです。今年「MOSA」は29年目を迎えましたが、六本木ヒルズのApple Japanで毎年開催される年次総会では、私は創設者の一人として来賓挨拶をさせていただいています。



第29回 MOSA年次総会にて。

日本トップクラスのMACのプログラマーの中野洋一さん(左)

菅野さん(中)

Apple関連の著作で名高いテクニカルライター大谷和利さん(右)

ボストン留学から青山学院大学特別研究員に

  MOSAを経て協会会員会社のCADソフト MiniCAD、VectorWorksの輸入・販売総代理店のA&Aに転職しました。しかし、契約が決まると収益=業績が長期にわたって継続する、今で言うサブスクのような業務は退屈過ぎました。時代が大きく動いているのに何もやることがない。そんな状況に焦りを感じたのかもしれません。2006年、後先を考えずに退職し、勢いでボストンへ語学短期留学。子どもといってもおかしくないくらいの若い人たちに混じって英語の授業を受けました。刺激的で楽しい時間でした。ちょうどマーク・ザッカーバーグがFacebookを立ち上げていた頃だったと思います。帰国後、パソコン業界団体時代のご縁から青山学院大学の新学部の立ち上げに加わることになりました。青山、表参道、原宿等近隣にオフィスを構えるトップクリエイターと学生をつなぎ、最先端の実務を体験してもらう「ラボ・アトリエ実習」...いわばキッザニアのアカデミック版です。後年青学人気No.1となる「総合文化政策学部」はこうして誕生し、私はこの時の活動のご縁で、同大学の社学連携研究センターの特別研究員に任用されました。

そして、最先端マーケティングの伝道師へ

走るときもあります

会社設立の経緯は?

2012年春、渡米 Macworld視察の際に知ったFacebookの投稿をスタート。大阪のITベンチャー起業「未来電子テクノロジー」の西専務から、突然、メッセンジャーに連絡が入りました。『私達が大阪で開催している「Facebook集客実践会」を東京で、菅野さん主催でやりませんか?』というオファーでした。時はまさにソーシャルネットワークの興隆期。大型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、インターネットの流れの中に身を置いてきた私にとって、SNSの出現は最大の衝撃であり、最も関心のある分野でした。渡りに船とはこのことかと思いました。当時20代の若い経営者たちから最先端のSNSマーケティングに取り組むきっかけをもらい、共に実践することができたのは、とても幸運でした。この年に私は『株式会社ソーシャルメディアマーケティング』を設立。現在につながる事業へ足を踏み出しました。

仕事の内容を詳しくお聞かせください。

設立当初はソーシャルメディア... SNSによる集客、売上アップの仕方をコンサルティングしていました。最初はFacebookが主体でしたが、その後、Instagram、Twitter(X)と“媒体”が広がり、YouTube、TikTokを活用した動画メディアも順次カバーしていきました。これらを横断的に活用し、現在は企業を中心に顧客開拓、ファン化の仕組み構築を行っています。さらには生成AIの活用が加わったことで、2024年に社名を『株式会社ハイパーメディアマーケティング』に変更。生成AI、動画、SNSを活用したHyper media(超メディア)の制作・運用、マーケティングをサポートしていきます。

成功事例を紹介してください。

近年の成功例で言いますとDX(デジタル化)でしょうか。アナログ業務のデジタル化やペーパレス化などはもとより、業務フローやプロセス、さらには製品やサービスをデジタル化していきます。例えばある製造メーカーでは、部品の検品作業にAIを導入。月間50万個の金属部品を検査員6名で約10日間かけて目視検査していたもの自動化し、作業時間を40%削減しました。また、介護用品の販売卸会社では、営業マンがカタログで個別販売していたものを動画化し、YouTubeで配信することで営業を無人化。ネットから継続的な売り上げができる仕組みを作りました。茨城県の老舗漬物店からは、コロナ禍で落ち込んだ本店の集客をアップさせたいというミッションに対し、2階のレストランスペースでのイベントを企画。Instagramで動画  発信することで多くの方の関心を引くようになり、今では“マルシェ”を定例開催するようにまでなりました。集客も売り上げも大幅に向上し、イベント企画とインスタ配信が、会社にとって欠かせない業務のひとつになりました。

DX成功例  資料より


必見・必聴のセミナーが開催されます!

SNS、動画、生成AIのセミナーを全国で開催


仕事をする上で大切にしていることを教えてください

  私が最も大切にしているのは、『お客様と並走する』こと。SNSを使った仕組みづくりやDXは、時にはビジネスモデルの刷新を余儀なくするような改革です。セミナーや研修でスキルやノウハウだけ伝えて終わりのコンサルでは実現しません。お客様と共に課題と向き合い、答えを出していく、『並走』のコンサルテーションをモットーにしています。

今後注力したい分野は?“採用”です!

  ズバリ採用です。講座や研修会で全国の商工会議所・法人会を回っていますが、どこも、どの分野でも人が足りなくなってきていいます。求人媒体は人が採れず、採れても長続きしないなど、費用対効果が見合わなくなっています。とくに中小企業ではその傾向が強く、今後人が採れないから廃業するような会社が出てくるのではないかと懸念しています。SNSや動画によって自ら情報発信する仕組みが実現できれば、採用活動もまた、それと連動させて効果を上げることが可能だと考えます。昨年、自社の採用活動をより効果的に行える『ソーシャルメディアリクルーティング』を提唱し、実務担当者養成講座を開催。このテーマをさらに掘り下げ、中小、中堅企業の人材採用を強力に支援していきたいと考えています。


セミナー招待のご案内

コロナ後、ニューノーマル時代の儲ける仕組み

「AI、ショート動画、SNSを使ったハイパーメディアマーケティング入門」


  生成AI ChatGPT、TikTokなど縦型・ショート動画、Instagram、X、Facebookなど各種SNS、それぞれ単独で使うより、この3つのツール、メディアを掛け合わせて活用することにより、3倍でなく3乗の衝撃的な結果をたたき出すことが可能となります。本セミナーでは、それぞれ、ツール、メディアの特徴の解説、どのように掛け合わせていくと良いか?  事例を使って解説する「ハイパーメディアマーケティング入門」セミナーです。

 

講    師: (株)ハイパーメディアマーケティング  代表取締役  菅野 弘達

日    時:2月22日(金)16:00~17:30

開催方法:リアル、ZOOMオンライン  ハイブリッドセミナー

 参 加 費:4,950円(内消費税 450円)

 特    典:区民ニュース読者  先着10名、無料ご招待

お問い合わせ・セミナー招待のご案内


インタビュー後記

菅野さんとは10年来のお付き合いで、この度社名変更とホームページ刷新のタイミングでポートレートの撮影と取材をさせていただきました。MOSA時代のお話は以前も伺ったことがありましたが、改めてお聞きするとスゴイの一言。パソコンの父と呼ばれるアラン・ケイを講演会で招聘したお話などもあり、まさに時代の最先端を歩んでこられた印象をより強く感じました。セミナーや講演に加え、執筆依頼なども増える中、人気の動画制作セミナーや生成AIのセミナーを全国で展開されるとのお話。ますますのご活躍に期待いたします。


★ライター/写真家  長谷部なおきの「ポートレイト撮影」&「インタビュー取材」にご興味のある方はぜひご一報ください!

https://www.kimephotod.com/