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おひとり様の死後事務委任サービスってどこまでやってくれるんですか?
(1年前の記事です) 掲載日:2022/11/05
おひとりさまが死後事務委任契約サービスなどを利用して没後、葬儀や自宅の賃貸の解約や室内の遺品整理などを行ってもらう場合、本来私の相続人であるであろう人間に私が亡くなったという連絡は入れるんでしょうか?
そういうサービスを受け、遺言で親族はじめ親戚に私が亡くなった事を絶対連絡しないでほしいと書いた場合、それを絶対遂行してくれるのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。
私がお答えします。
普段からまったく親戚づきあいをしていない「おひとりさま」の場合、専門家や専門事業者に「死後事務委任サービス」を依頼しておけば、死亡後の葬儀・納骨や賃貸住宅の解約、荷物の処分などもすべて親族に頼ることなくやってもらえるので安心です。
ただし、頼まれた専門家や専門事業者も、あなたが亡くなったという事実をいち早く知らなければ、あなたの死後の事務を履行することができませんので、どうやって死亡の事実が伝わるのかというルートをきちんと確保していてください。
医師が「死亡診断書」を書いてくれるような通常の状況で死亡したときは、きちんとした死後事務委任の契約があり、あなたが生前に望んでいたのであれば、あなたが亡くなったことを、あなたの疎遠となっている相続人に対して、「死後事務受任者」として伝えることはありません。
しかし、自宅で孤独死していたケースなどでは、医師による「死亡診断書」の代わりに、警察の検死が行われることとなり、その場合には、「死後事務委任」の有無にかかわらず、警察から相続人に必ず連絡をされてしまうので、注意してください。
また、「死後事務受任者」として、葬儀の前後にあなたの相続人にあなたの死亡の事実を伝えることはなくても、遺言や相続の段階になると、話は別です。
まず、あなたが遺言を書いていた場合。遺言執行者に指定された人は、民法第1007条の規定により、遺言執行者として任務を開始したときは遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならないとされています。たとえあなたのすべての財産が、相続人以外の人や団体に配分されるという遺言の内容であったとしても、相続人の全員にそれが通知されることになります。
また、遺言を書いていなかった場合でも、死後事務受任者があなたの遺品整理などをして、あなたの財産に関する物品(預貯金通帳など)を預かり、それらを引き渡す人が指定されていなかったときは、適正な持ち主である相続人に引き渡さなければなりませんので、おのずとあなたの相続人に連絡を取らなければならないこととなります。
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