まちの仕事人インタビュー
もっと薬剤師と話して欲しい
株式会社LLE なごみの薬局 なくすなりーな日の出 薬剤師 吉田 聡 (よしだ さとし) さん インタビュー

出  身: 大阪府

出身校: 神戸学院大学薬学部

何年生まれ: 1977年

趣  味: ゲーム配信・草お笑い(アマチュアお笑い)

経歴 :

大学卒業後、小規模ドラッグストア勤務。大手調剤薬局や病院、フランチャイズの薬局オーナーを経験し、現在は独立し、自身の薬局を経営している。草お笑いは、舞台に立つ側です。 2020R-1グランプリでは2回戦進出しました。

もっと薬剤師と話をしていただいたい

どんなお仕事ですか?

薬剤師は、医師の処方箋を見て薬を作って渡しているイメージが強いですよね。実は、処方箋を監査しているんです。間違っている頻度としては2%程度ですが、それを見つけ出すのが僕たちの仕事。処方箋には医師や病院、患者さんの名前、処方された薬剤の情報しか書いていないので、患者さんが何の病気かはわかりません。「今日はどうされましたか」と薬剤師が聞くのは、薬が本当にその方に必要か確かめたいからなんです。体調が悪い中、薬局で時間を取られたくないという気持ちは痛いほどわかりますが、どうか薬剤師が質問するのは許してあげてください。万一のミスを防ぐために、薬剤師は常に患者さんのことを考えながら質問をしています!これは多くの人に知ってほしいですね。薬剤師は「薬を減らすことから考えることができる唯一の医療職」だと思っています。日本は医薬分業で「医師は診断・治療の専門家」「薬剤師は薬の専門家」と専門が分けられていて、薬剤師と医者は視点がまったく違うんです。医師は薬を追加することが多いですが、薬剤師は減らす方向に考えます。薬剤によっては副作用が強いものもありますし、同じような薬が処方されていることもあります。薬剤師がゆっくりカウンセリングをすることで、より良い生活のためにどうすればいいか医師と違った視点で話せるんです!

この仕事を始めたきっかけはなんですか?

祖父が、病気で沢山薬を飲んでいたのですがそのまま亡くなってしまいました。子供ながらに「病気を治すはずの薬を飲んでいたのになぜ死んじゃったの?」 と思ったのが自分の中に残っていて。薬のことをきちんと勉強しようと、薬学部に進学しました!働く中で、薬局は病院と違ってプライバシーに配慮が欠けると感じました。自分の病気を知られたくない人はたくさんいますが、薬局は開放的な空間のため周りに会話が聞こえてしまいます。もっと話しやすい環境が必要だと思い、独立して薬局を設立する際にカウンセリングルームを作りました。普通の薬局だと、患者さんも聞く体制になっておらず、出来るだけ手短に済ませたい方がほとんどですよね。聞く環境が作れていないんです。カウンセリングルームのほかに、オンラインでのカウンセリングにも力を入れています。プライバシーも守られますし、カウンセリング時間をスケジュールに組んでいますよね。病院帰りの薬局とは異なり、カウンセリングだけの時間です。そうなると患者さんからいろんな話を聞けて、本当に必要な薬が何なのか見えてくるんです。

どんなお客様からのご相談が多いですか?

70歳以上の女性からの健康相談が多いですね。他にもSNS配信のリスナーさんが薬局に来てくれたり、処方箋を送ってくれたりしてオンラインでやりとりをすることもありますね。遠い人だと広島からオンラインでカウンセリングを受けられています!

今のお仕事で大切にしていこと(理念)を教えてください

「薬や病気」ではなく「患者さん自身」に向き合うことを大切にしています。患者さんの「価値観」や「本当にのぞむ生き方」の実現のために、薬や健康の側面からサポートしていきたい。その中で、薬を減らしたり、適切な量にしたりすることは大きな軸ではありますが、一人ひとりのライフスタイルや価値観も捉えながら最適化していくことがもっとも大切であると考えています。そのためにも、地域コミュニティでのなかで日々患者さんとコミュニュケーションをとり、関係性を築きながら、薬の専門家としての役割を果たしていけたらと思っています。患者さんからの、あなたのおかげで助かった、という一言はやはり一番嬉しいですね!


ホテルの客室をイメージしたカウンセリングルーム

現在のお仕事で記憶に残るお仕事、お客様、お取引があれば教えて下さい

オンライン薬局でのこと。 うちのオンライン薬局を使ってくれた患者さんが、オンラインをしようと思ったきっかけは、薬局で大きな声で、「○○さん!痔の薬今日無いんだわ!」って言われたこと。 隣に、女性の親子連れが居て恥ずかしかったとのこと。 オンラインで話を聞いていたら、 「そう言えばこの薬使うと痛いんだよね。。。」 との一言が。 気になってよく聞いてみたら、薬の使い方が間違っていた。 正しい使い方をお伝えしたところ2週間で良くなった。 それまで2ヶ月通っていったが良くならなかったのは、薬の使い方が間違っていたから。 おそらく、薬局では説明はする物の、環境的にゆっくり話を聞けなかったのではないか? その為、薬の使い方を間違ってしまって治らなかったのでは?とおもった。 オンラインで、ゆっくり話せる環境であった為、このことが分かって、監置に繋がったと思う。

お客様から言われて嬉しかった一言ってありますか?

患者さんからの、あなたのおかげで助かった、と言う一言はやはり一番嬉しいです。

現在のお仕事の将来展望、この先の展開やどう成長させていこうとお考えか教えて頂けますか?

地元の北千住を大事にしつつ、オンラインで困っている多くの人の相談に乗りたいと思っています。薬剤師に相談することで、薬の適切な使用方法がわかったり、薬が減らせたり、結果として療養が短くなったりすることを、どんどん発信していきたいです!もっと薬剤師を活用してほしい。今後はオンライン診療や服薬指導は増えてくると思うので、薬剤師も選んでもらう時代になると思っています。その時に選んでもらえるような薬剤師になりたいですね!

地元の癒しスポット、お好きな場所を教えて下さい

薬局内の足温浴スペースがあるのでぜひお立ち寄りください!

行きつけのグルメを教えて頂けますか?

北千住駅西口にある、あごだしラーメンの「高橋」さん

https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13270086/

地元の皆様にアピールしたいお仕事に対するこだわり、想いを教えて下さい

薬剤師に相談する事で、分かることや良くなる患者さんがたくさん居るので、もっと薬剤師を活用して欲しいです。

インタビュー後記

熱い想いを持つ医療従事者のコミュニテイよりご紹介いただいいた吉田さんですが、話してみて、薬剤師さんの概念が一発で変わりました。「えーっ?!」って思うことや、「そういうことだったんだ!」と、とても勉強になることがたくさんです。例えば、病院に行き、処方箋をいただくときに薬剤師さんとの会話でいつも違和感を感じていたことがあったのですが、吉田さんと話をして謎が解けましたw。オンライン相談などでもコンサルをしているので、薬について、もっと気軽に聞いたほうがいいのにな・・・とつくづく思いました。ちょうど花粉シーズンに入りますので、また聞きに行きます!

お問い合わせ

なごみの薬局  なくすなりーな日の出

住  所:東京都足立区日ノ出町27 日の出町団地 第4号棟108号室

連絡先:03-5284-9875

MAIL:sayuevo7@gmail.com

web site:https://nakusurina.com/

facebook:https://www.facebook.com/lle.yoshida/