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初めての外国人雇用。日本語能力に不安も・・・
掲載日:2025/02/07
今回、障がい者入所支援施設で外国人を雇用しようと考えています。
先日、仲介業者様から日本語レベルN4の方を紹介されました。知り合いの施設の仲間からは、日本語レベルはN3以上でないとダメだよ、と言われてしまいました。
現在外国人を雇用している同業の方や、外国人雇用を得意としている行政書士の方がおられれば、ご意見を伺いたいと思います。
なお、外国人雇用は今回が初めてです。正直、不安もあります。因みに、どこの国の方がいいでしょうか?リアルなご意見をお聞かせ下さい。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

今回ご紹介いただいたというのは、おそらく介護の「特定技能」1号「ビザ」(在留資格)をお持ちの方でしょうか?
仮にそうだとしますと、次の3つのうちのいずれかのキャリアの方、ということになります。
(1) 下の三つの試験に合格した方
① 介護技能評価試験
② 国際交流基金日本語基礎テスト、または日本語能力試験N4以上
③ 介護日本語評価試験
(2) 介護分野の技能実習2号を良好に修了した方(→ (1)の試験は免除)
(3) EPA介護福祉士候補者として就労・研修に適切に従事した方(4年間)
具体的には、直近の介護福祉士国家試験の結果通知書で、
① 合格基準点の5割以上の得点があり、かつ
② すべての試験科目に得点がある方、です
1.日本語能力
さて、そこでその方の日本語能力がN4レベルとのこと。これがどの程度のものかと申しますと、通常の日常生活にはおおむね支障のないレベル、とのことです。ただ仕事の上で、例えば工場労働のケースでいいますと、最初に指示内容を「一とおり」聞いただけでそのとおりに正しく作業できるかというと、実際には本人が始めた作業ぶりをしばらく見守りながら、間違いについては適宜身振りを交えて指摘し、場合により、もう一度正しい要領でやって見せなければならない程度、というところでしょうか。更に身障者の介護となりますと、機械を扱うなどに比べ、要する慎重さの度合いが格段に異なりますから、実際には手取り足取り指導することから始める必要がある、というところか、と思われます。
まずは職場の配置とシフトを理解し、施設としての運営に支障がない程度に出勤・就業できるか、の問題でしょう。更に仕事上、介護記録等を残す必要もある訳ですが、後で読む側がすんなり状況を把握できる程度に漢字を交えて書けるかというと、それまでには一般的に相当の訓練と時間を要するといえましょう。
漢字圏の出身か否か、という要素もあります。おそらく、単純な語学力の問題というよりは、本人の性格の問題も含め、自ら積極的に学んで確実にできるようになろうとする意思の強さと、実地で反復訓練により身につけてゆく過程での「センス」のようなものも必要かもしれません。
以上のような事情からも、確かに最低でもN3程度、できれば早々にでもN2に合格してほしい、というのが現場としての率直な願いでしょう。
2.お国柄と仕事ぶりの傾向
これは正直を申しまして、コメントをされる方のご意見により様々であろう、というのが偽らざるところです。
ただ、多くの方のお話を聞いてきた感想等から断片的ながら書き出してみますと、例えば以下のような感じでしょうか。
・歴史的に遊牧民としての生活が主体だったことで知られるある国の方は、独立独歩の気風が強い傾向がみられるようで、比較的短時間のうちに手順を守って自立して作業に集中できるようになるようだ(清掃業務のケース)
・識字率が比較的高く、規律を重んずる気風で知られるある国は、優秀な工場労働者を多く輩出することなどでも有名である。ただ、(ヒアリングしたある企業の管理職のご意見では、)同国出身者同士でチームを組ませる方が良い結果を生みやすい傾向が見られる一方、毎日の仕事終わりに、小一時間は各リーダーの話をじっくり聴いてやるのを習慣にしているが、様々な人間関係を中心とした悩みがあり、こちらの手間もばかにならない
・ある国の人々は、アジア地域では珍しく自己主張が強い傾向が目立ち、中には攻撃的な性格の人もいて、少なくとも介護の仕事にはあまり「向いていない」ように思う
・その近隣のある国では、宗教の関係もあるらしいが、幼い頃から老人や病人を無償で介護・看護するのが当然、といった社会的風土の中で育ってきたという事情からか、介護の仕事には比較的なじみ易く、入居者の評判も良いことが多いように思う
・諸々の「お国柄」というようなものは、確かに日常的に感ずるものがあるが、所詮それらは「傾向的」「確率的」なものに過ぎず、結局は個々人の適正を見抜くことで最良の採用と配置を目指すしかなく、それは日本人についての場合と基本的に同じ問題
等々といったところで、あくまで断片的な「エピソード」のようなもので、あまり確たる「助言」につながるような性格のものとは言いにくいのが実情です。
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