前回のコラムでも書かせていただいた『ヒートショック』ですが、悲しいことに数日前に実際に目の当たりにしました。


浴槽に浸かったまま意識を失い、そのまま溺死ということでした。

発見が遅れてしまったこと、浴槽に浸かっていたことでご遺体はかなりの損傷していました。


のちの打合せでご遺族のご希望はお気に入りの洋服を着せてあげたいということでしたが、長時間お湯に浸かっていたことで皮膚がふやけてしまい着替えが難しい状態で、その旨をお伝えし、お身体の上にかけるということでご理解をいただきました。


最近のお風呂だと温度設定やタイマー設定により追い炊き機能が止まるので沸騰することはありませんので、昔ほど悲惨な状況になることは少なくなりましたが、それでもかなりの変化があるのです。


私が葬儀業界に入ったことはバランス釜と呼ばれるタイプのお風呂で、追い焚きが自動で止まる機能がないため、沸騰して目も当てられない状態のこともしばしばありました。

お風呂の空焚きが原因で火災なんてことも昔はニュースでよくありましたよね。


お部屋と脱衣所、浴室内と温度差を減らしていただき、まだ寒い日が続くのでお気を付けください。

最悪の場合、お顔を見てのお別れが出来なくなってしまうので・・・。


お葬式の役割として、お顔を見てのお別れは本当に大事なことだと思います。

ただでさえ亡くなるということは簡単に割り切れることではないので、お顔を見られないともっと割り切れなくなってしまうと思います。


お柩の外側だけを見ていても「本当にこの中に入っているのが本人なのか?」分からないじゃないですか。

ご遺体の取違いなんてほぼありませんが、色んな可能性を考えると0%ではないでしょうし。


お顔を見てお別れが出来ないと言えば、新型コロナが収束せず猛威を振るっており、連日ニュースでは感染者数が更新した、新しく変異したウィルスが発見されたと流れています。


この新型コロナも感染してお亡くなりになりますと、対面することもお別れすることも叶いません。

以前も書かせていただきましたが、病院から火葬場に直接搬送し、いきなりお骨となって帰ってくるのです。


また違う原因で亡くなってお葬式を行っていたとしても、参列に制限されて直接お別れが出来ないこともあります。

先日担当させていただいた故人様は施設に入所していて、新型コロナで亡くなった訳ではないですが、ご家族と昨年2月から面会出来ず、看取ることも出来なかったと仰っておりました。


会いたくても会えなかった、お別れを言いたくても言えなかった、こんなことが今起こっています。



新型コロナ禍では色々と生活も変わってしまったと思います。

誰もがいつ感染してしまうか分からない目に見えないウィルスは本当に怖いです。

私自身もうがい・手洗い・消毒・マスク・不要不急の外出をしない・3密を避けるなど、出来ることは今後もやっていき、少しでもお力になれればと思っております。






著:一級葬祭ディレクター 小林大悟


ご葬儀に関するご相談は春光舎まで

電話番号:0120-933-068

Email:info@shunkou-sha.com