聖マリアンナ医科大学西部病院
昭和大学横浜市北部病院にて勤務した後
2019年9月 合同会社OHANAを設立
《事業内容》
病状の観察
ターミナルケア
医療機器を使用したケア
床ずれの予防•処置
リハビリテーション
内服薬の管理
療養指導•相談
療養生活における指導•援助
介護、服薬の指導
本人や家族への療養指導•相談
認知症ケア
《趣味》
旅行
朝市めぐり
病院から訪問看護の道へ〜

合同会社OHANAを立ち上げたきっかけを教えてください
病院で16年働き、小児科•NICU(新生児集中治療室)•救急を経験しましたが、最も長く経験し思い入れも深かったのがNICUでした。母子が離れている期間がとても長いNICUでは、自分が母親で良いのか、ちゃんと母親の役割を果たせているのかと悩む方が多くいらっしゃいました。また、先天性疾患などで余命が短いお子さんが、家族と過ごす時間を少しでも長く居られるように、ご自宅に帰してあげたいと思っても、受け入れられる事業者なく、病院に居ざるを得ないということもありました。
そのようなことから、新生児~高齢者まで経験しているという自身の強みを生かして、地域の受け皿を作る事が出来るのではないか?と訪問看護を始めたきっかけです。
病院での治療だけではなく、その方が住んでいる地域で訪問看護を活用しながら、セルフケア能力を上げることが出来ればと思っています。
訪問看護ではどのようなことを心掛けていますか?
訪問介護・訪問看護の事業者は増加傾向にはあります。病気を治療するのであれば病院のような専門性はもちろん必要ですが、自宅で過ごす方にとっては専門性だけではなく、多様性も重要になります。なぜなら、その方自身の日常生活見直しを要することもあるからです。
多様性の為には医療職以外の連携も必要になってきます。
例えば患者さんが最後まで自立できるように支援するための後見人の設置に詳しい行政書士さんや、障害者年金申請に携わる社労士さん等。その人の病気だけではなく、抱えている問題も解決しないと健やかに暮らすことはできません。
看護だけで全て支えることはできませんので、可能な範囲で多職種と連携して地域として支えていくことを意識しています。

医療職だけではなく、士業の先生方とも連携
病院から訪問看護に移って大きく変わったことはありますか?
個人的な変化としては、夜勤がなくなったので、家族とのすれ違いが減ったり、体のバランスを整えやすくなったことです。
利用者さんに対する接し方の変化としては、生活に合わせて支援する形式なので、その方の生活スタイルも含めてより深く携われる様になりました。
どうしても病院では治療スケジュールに生活を合わせなければなりませんが、在宅では利用者さんの生活スタイルに合わせられることが最大のメリットです。
ご自宅では住人でもあり慣れている環境だからこそ、利用者さんの表情は入院時よりも穏やかな印象があります。
仕事で嬉しかった思い出を教えてください
弊社では、LINE公式アカウントを用いた相談を取り入れているのですが、その中で産後うつで苦しまれていた患者さんから
『 不安ばかりの現状でしたがLINEでも相談することが出来て本当に助かりました 』
と言って頂けたことはとても嬉しかったです。
人の不安や悩みは、頭の中で考えていると、悪い方向に向かうことが多いのですが、文字にすることで『大したことないじゃん。こんなことで悩んでいたんだ』と客観的に気付けることもあります。文字を入力しながら、落ち着くこともあるし、メッセージを何回かやり取りすることで『そう思えばいいんだ!』と気づいて落ち着くこともあります。
そうやって自分の仕事が役に立てた時は本当にうれしいと思います。
LINEと聞くとネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、そういったコミュニケーションツールを用いながらの支援もこれからの時代にあっても良いのではないでしょうか?他の医療関係者さんにも『斬新ですね!』と驚かれます。

OHANAではどのような仲間を求めていますか?
自分の専門性はこれだと強い思いのある人、病気を持った方々に対してゆっくりと関わりたい人、プライベートも大事にしながらしっかりと働きたい人を求めています。技術的なことは後から身に付きますが、仕事に対するマインドはすぐに身につけることは出来ませんので、そこを大切にしています。
現在働いているスタッフ全員が訪問看護未経験です。弊社では、訪問看護に対する理想と現実のギャップが無くなるようにと、入職前に体験をしていただいています。その体験を通じて働きたいと思って貰えたら入職していただいています。
【退院後に地域で暮らす方の生活が気になる】、【もっと深く人と関わりたい】という方がいたら、まずは訪問看護の世界を見に来て頂きたいと思っています。
お気軽にご連絡下さい。

インタビュー後記
目の前のことだけではなく、本当に利用者さんのことを深く・広く考えているのだなと印象を受けました。
私自身、前職の経験上で医療従事者の方々を多く触れ合う機会はありましたが、どなたも【専門性】に特化しており、医療以外の連携については苦手にされていました。渡辺さんは、自らあえて多職種の連携という難しいことにチャレンジしながら、利用者さんの生活を少しでも健やかに暮らせるようにと尽力されています。とても優しい笑顔に加えて幅広い知識と人脈、目標に対する熱意。
OHANAで訪問看護を経験したら、人生において一つも二つもステップアップが出来ると感じました。
少しでも訪問看護に興味のある看護師さんは、渡辺さんのお話を是非聞いてください。
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