まちの仕事人インタビュー
再出発を後押しする
山川法律事務所 弁護士 山川 典孝 (やまかわ のりたか) さん インタビュー

1972年生まれ。東京都出身。新宿区在住。司法試験合格後、複数の法律事務所での勤務を経て、2006年に新宿区内に『山川法律事務所』を開設。「弁護士が教える借金1000万円からの脱出法(幻冬舎ルネサンス新書)」など著書多数。趣味は、歴史小説などの読書。

人生のマイナスを食い止める

今の仕事をはじめられたきっかけを教えてください。

高校生の頃に大学進学に向けて、困っている人を手助けできる仕事につきたいと考え、弁護士を目指し、「法学部」を選びました。司法試験合格後は、法律事務所へ勤務しながら実務を学び、2006年に『山川法律事務所』を開設しました。場所を新宿にした理由は、裁判所のある霞が関と、仕事で行き来の多かった立川市や八王子市への交通が便利だったからです。開設当初は、世の中的に『過払い金』の問題が大きく取り上げられていたタイミングで、『過払い金』の問題も含め、さまざまなご相談を受けていました。その後は、『債務整理』のご相談も増えるようになり、現在では借金を抱え、切迫している人の手助けを数多く行っています。

仕事の特徴は、どのような点にありますか?

『債務整理』が、ご相談の半分を占めています。弁護士から債権者宛に通知を送ることで、債務者側への請求が一旦ストップするため、一時的ではありますが、依頼者の方は少しだけ肩の荷が下りることになります。一度、心が穏やかな状態になっていただいたうえで、「再生」や「破産」といった具体的な整理に向けて進めていきます。債務整理というと一般的には「破産」をイメージされがちですが、「再生」という方法もあります。2つの違いは、「破産」が債務を0にする代わりに、資産を原則として失うことに対して、「再生」は債務が一部残り、返済が必要になるものの、家や車などの資産を自分の手元に残せるというものです。それぞれメリット・デメリットがあるので、一概にどちらが良いということはありませんが、依頼者の状況に合わせて選択肢をご提示しています。「破産」、「再生」のほかに「任意整理」という選択肢もあります。次に多い仕事が、『後見人』というお仕事です。『後見人』のお仕事では、ご高齢で認知症が進み、自分の意思をハッキリと伝えられなくなった方の、生活のサポートをしております。自分の意思が正しく伝えられなくなると、日常の支払いや、施設に入る際の契約などが思うようにできず、希望する人生を送れない恐れがあります。高齢者の方に定期的に会いに行ってお話を伺うのは、時間もかかり仕事としての負担は軽くはありませんが、それを上回る充実感があるため、私にとっては大切な仕事の一つです。その他にも『残業代の不払い』『交通事故』、『債権回収』、『離婚』、『遺産分割』といったご相談なども受けています。


前向きに人生を歩んでもらいたい

どんなお客さまが多いですか?

『債務整理』30代~50代の男性が多いですね。借金を抱えられた理由で、最も多いものが「生活費の不足」によるもの。何年かお金の工面を頑張ったものの、いよいよ返せなくなったのでご相談に来たという依頼者は多く、ここ数年では、新型コロナウィルスの影響で仕事を失い、生活費のためにカードローンを利用したり、自治体や社協の融資を受けた人が、そのまま返済が難しくなりご相談にいらっしゃるというケースも増えています。その次に多い借金の理由が「ギャンブル」で、競売・パチンコなどが理由で借金が増えた人というのも多いです。また、FXや暗号資産などへの投資というのも多いです。これまでに2,000件以上の債務整理を行ってきました。

仕事をするうえで、心掛けていることを教えてください。

債務整理をご相談に来られる方は、精神的に参っている人が多いため、まずは再出発の第一歩として“励ます”ことを心がけています。その後、債務整理について、順を追ってお話していくことで、解決に向かっていくイメージを持っていただき、将来に対して前向きな気持ちになっていただくように働きかけています。気を付けていることは、依頼者の価値観に合わせて打ち手を選ぶこと。例えば、債務整理には「破産」、「再生」、「任意整理」という方法がありますが、をどの方法かを押し付けることなく、依頼者に考えに沿った方法を選んでもらうようにしています。「破産」を選ばれた方からの破産後の連絡は少ないですが、「再生」を選ばれた方からは、数年後に「無事に完済しました」とご連絡をいただくことがありますね。自分が関わったことで、依頼者の人生が少しでも良くなったのであれば、これほど嬉しいことはありません。これからも、問題を抱える人の不安を少しでも取り除き、前向きな気持ちになれるよう、全力でサポートしています。


インタビュー後記

山川弁護士の話を聞き、『債務整理』が「マイナス」を「ゼロ」にすることではなく、「マイナス」を「プラス」に導くことだと分かった。日本ではお金の不安について周囲に相談することが難しい。一人で悩みを抱えて頑張るものの、どこかで上手くいかなくなることもあるだろう。その債務とストレスが大きくなりすぎる前に、再出発に向けて背中を押してくれる山川弁護士へ相談することを強くお薦めする。

お問い合わせ

名前:山川法律事務所

住所:新宿区新宿6‐7‐22エル・プリメント新宿551

電話:03-6303-7030

Mail:n.yamakawa@yamakawa-law.gr.jp

HP:http://www.yamakawa-law.gr.jp

 *ご相談の際は、『新宿区民ニュース』の記事を読みました。とお伝えください。