小林ななこ個展「Conversations」
ニュースタアギャラリー東京にて小林ななこによる「Conversations」展を開催いたします。
小林は高校生の頃から国際的な社会問題に関心を持ち、ボランティアに参加するなどサスティナブルな活動にいち早く取り組んできました。現在小林の表現の中心になっているテキスタイルは、和服をきっかけに興味を持ち、搾取や児童を取り巻く労働環境の改善、また文化交流の橋渡しになると考えたといいます。国内で染織を学んだのちロンドンに留学し、さらに進んだテキスタイルとサスティナブルデザインを吸収してきました。
本展はサステナビリティを背景にしながらも、その主体的な活動を促すことは目的とせず、さらに手前にある人間の物の見方や考え方をメインテーマに据えています。タイトルの「Conversations」は小林自身が苦しみや悩みを抱えていた時期、感情や状況などを書き留めていくことで重ねた「自分との会話」に由来しており、ネガティブな感情も視点をずらせばポジティブに変えていくことができるという、気付きの過程で作品が生まれました。
会場ではテキスタイルのほか、イラストレーション、アクセサリー、オーナメントなどを展示。特にテキスタイル作品は環境への負荷を考慮した制作を心がけており、端切れやオーガニックコットンを使用し、染料も最後まで使い切る方法をとるなど、素材を大切にしながらつくることで、長く愛着を持って使ってもらうことを目指しています。
柔らかさの中にしなやかな強さを内包した小林の作品は、手にすることで癒やしになるだけでなく、そのほぐれた内面に語りかけてくるようです。他者との関わりが減ったいま、自己の意識から抜け出せなくなっている人も少なくないでしょう。本展を通して自分との会話を試み、物の見方や考え方を増やすきっかけにしていただければ幸いです。
私の外と中で起きる
小さな小さな出来事を受け取り、
会話する。
自分の心を通して見る世界は
全て自分のリフレクションで、
その世界の中の無意識を
拾い集めてまた私と出会う。
【イベント概要】
小林ななこ個展「Conversations」
2021年8月10日(火)〜8月22日(日)
会場:ニュースタアギャラリー東京
営業時間:12:00〜19:00
定休日:月曜
〈期間中イベント〉
8月14日(土)、15日(日)
「押し花プリントワークショップ・something special
―お家の中で忘れられていたものが、特別なものに生まれ変わる―」
本物の押し花にインクを付けて、スタンプのようにして布にプリントします。
参加をご希望の場合は会場にてお申し出ください。
参加費:
・お花 1個 ¥3,000-(所要時間 10分)
・お花4個 ¥4,000-(所要時間 15〜20分)
染めるもの:
・お持ち込みの布製品
例:目の細かいコットン100%生地の洋服、エコバッグ など
※持ち込み素材のご相談は小林さんのインスタグラムのDMにて
・ハンカチ(+ 材料費 ¥500- )
・A4トートバッグ(+ 材料費 ¥500- )
【アーティストコメント】
水の上に浮かんでいるような脱力感を感じて生きている中で、私の心の声に耳を傾けて、ふと思ったことや気づいたことを書き留めていました。
それを自分の好きな色と形で表現することは、私が大事だと思うことを確かめ、私を癒す手段です。作品を通じて、見てくださる方にも心のどこかを照らす光が届いたらいいなと思っています。
【アーティストプロフィール】
小林ななこ
東京出身。文化学園大学で染織を学んだ後、ロンドン芸術大学チェルシーカレッジオブアーツのテキスタイルデザインコースを卒業。人の物の見方や価値観に興味があり、人の心に作用するものづくりを目指している。
表現方法は、テキスタイル、セラミック、イラストなど多岐にわたり、その生産過程と廃棄の際に、できるだけ環境に負担の少ない方法を選んでいる。
所在地
中野区東京都中野区本町5丁目45−3フォーチュン中野本町2F