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母の相続放棄は無効になりますか?
(2年前の記事です) 掲載日:2022/10/03
父が亡くなり、財産は実家の借地と借金というマイナス財産だけという事もあり、相続人全員(母・私・妹)が相続放棄の手続きをしようと考えておりました。
しかし最近色々調べてみると死亡してから3か月以内に相続放棄手続きをしなければいけないという事を知りました。
そこで問題が発覚したのですが、父名義のローンと借地権の地代を母が今も払い続けているのです。
この場合母は相続を認めると判断され、相続放棄は無効になるのでしょうか?
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

相続放棄の期間と条件 放棄の判断は「相続の開始を知った時から3か月以内」です。
ただし、財産調査などに時間が掛かっているなどの場合は、家庭裁判所へ申し立てをすることにより期間の延長が可能です。
3か月以内に放棄又は限定承認の申し立てを家庭裁判所へしない場合は単純承認とみなされ、プラスの財産もマイナスの財産も相続をすることになります。
相続放棄の申し立てをするにあたっては、被相続人との関係性がわかるもの(戸籍関係・法定相続情報一覧図など)や財産目録の提出が必要になります。
先ずは通常の相続手続き同様、
1 相続人の確定
2 財産目録の作成
この2つを準備し、全体像の把握をすることから始めましょう。
書類が整い、第一順位の相続人の相続放棄が認められると、次へ相続順位が移ります。
今回のご相談の場合、配偶者とお子様の放棄が認められると、第二順位の尊属(父・母)へ、第二順位の相続人がいなければ第三順位の兄弟姉妹へと順位が移ります。
※尊属はご存命であればどこまでも遡ります。
こうなると第二順位、第三順位のご本人達はいきなり相続人となるのでとても驚くことでしょう。相続放棄をする際には次の相続順位の方へ連絡をし、一緒に放棄で続きをした方が親切です。
この場合、第二・第三順位の相続人は「自身に相続が発生したことを知った時から3か月以内」となるため、故人様が亡くなってから3か月とは当然期間が異なります。
また、相続放棄の要件としては、相続財産に手を付けていないことが必要となります。
相続財産に手を付けてしまうと単純相続とみなされてしまい、相続放棄ができなくなります。
今回のケースでは、故人様の債務を支払ってしまう=単純承認としてみなされてしまう可能性が高いです。
相続放棄を検討している場合に何かしらの支払いが発生している場合には、先ずは弁護士や司法書士へ相談をし、対策を検討したうえで家庭裁判所への申し立てなどの行動に移すことが大切になります。
弊所では弁護士をはじめ、相続専門の司法書士や税理士と提携をしておりますので、遠慮なく弊所までご連絡ください。
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