【令和7年3月24日 山車の半解体及び調査】

蛇毒天王社(現 富部神社)の山車は、神社創建の慶長11年(1606)に松平忠吉公により寄進された。
幅4m 、高さ7mの愛知県内で最大とも言われる大きさの山車は、元々2輌存在し、祭礼時に東海道に曳き出て、社前に於て囃子が行われたと記されている。(『尾張年中行事絵抄』6月12日条)

山車の屋台内には稚児が乗り、鞨鼓舞と獅子舞と共に独特な囃子が行われていたという。しかし、昭和12年(1937)の町内曳行を最後とし、さらに鳥居前で飾り付けられた写真は、昭和29年(1954)以来、残されていない。その後、昭和30年(1955)に名古屋市の指定文化財となった戸部天王社の山車は、現在は山車庫の中に保管され、秋の例祭などに公開されるのみとなっている。

今回の半解体及び調査では、遠い昔、稚児が着装していた装束や鞨鼓など当時の祭礼の様子が伺える品々を確認することができた。これを機会に、曳行だけではなく、囃子、装飾など絶えて久しい、名古屋における山車祭礼の伝統の復活と共に、後世への伝承へと繋げていけたらと心から願うものである。

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