【くずし字解読チャレンジ! [9]】(不定期)
ゆる~く続ける本企画、みなさまご記憶でしょうか。ものすごく久々にお届けします。
第9弾の今回は、植物にまつわる用語について、関前村・関前新田(現・武蔵野市)の名主であった井口家に伝わる「慶応元年8月 反射炉御用ニ付千川堀刈払歎願一条」という文書から。

まず慶応元年(1865)、千川上水下流の滝野川村(現・東京都北区)に反射炉(大砲などを造るための金属の融解炉)が建てられることになり、役人の見分を前に用水沿いの草木を残らず切り払うように、との通達があったようです。これは、それに対して、関前村・関前新田・西窪村・吉祥寺村の4か村から、土手が崩れやすくなるため、雑木などは根こそぎにせず、これまで通り6、7年ごとに伐採することにしてほしいと役人に嘆願する文書です。
文中には、千川上水の土手に生えていた植物が多数登場します。

[01] 萱(かや)・根笹(ねざさ)等刈取
[02] 雑木共不残伐取候(ぞうきとものこらずきりとりそうろう)
[03] 蔓草(つるくさ) 雑木
[04] 雑木 楢(なら)・檪(くぬぎ)・栗・ゑこ(えご)類
[05] 木之根
[06] 雑木根株より新芽
[07] 木品(きしな=樹木および材木の種類・品質)
[08] 刈払
[09] 真木・藪枝等ニ伐採
[10] 生立候(おいたちそうろう)蔓草藪根笹等刈取
[11] 伐採
[12] 雑木等手繁(てしげく=手を緩めないで繰り返しするさま)植付

※慶応元年8月 反射炉御用ニ付千川堀刈払歎願一条(武蔵野市保管 井口家文書)より
 『武蔵野市史 続資料編八 井口家文書 五』武蔵野市、1994年、86-88頁

当時の千川上水沿いの風景が目に浮かぶようですね。
さて、いつになるかは不明ですが、次回もお楽しみに!!
(武蔵野ふるさと歴史館・林)

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