まちの仕事人インタビュー
【セラフィナF】女性を幸せにする事業を
株式会社富士メディカルサービス 代表取締役 森山 立民 (もりやま たつみ) さん インタビュー

出身:東京都足立区

趣味:熱帯魚の飼育・ゴルフ

今回インタビューさせて頂いた森山社長は25歳の若さで独立し、会社を設立。

そして、約5年前の2020年7月に新たに医療機器の製造業の株式会社富士メディカルサービスを設立されました。

2社の経営を一手に担う手腕の裏側に迫ってきました。

25歳で独立することにきっかけは?

当時新卒で務めた会社の社長との出会いがきっかけでした。


当時勤めた会社の社長がみんなを育てていきたいという方で、私たち従業員に独立を勧めてくれて、独立することになりました。

本当に人に恵まれて、これまでやってくることが出来ました。


もう一つ、人との繋がりに恩を感じたことがありました。

独立後、たまたま代理で参加したゴルフのコンペで院長に可愛がっていただき、仕事を任せてもらうことが出来ました。


今でもその仕事が継続しており、任せて頂いたからには精一杯の仕事をしなければいけないと肝に銘じて当初からずっと一生懸命取り組んでいます。

異業種の会社を立ち上げることになったきっかけは?

色々な方からのアドバイスをいただく中で、医療機器の製造を勧められたことがきっかけで、参入することを決めました。


新型コロナウイルスのパンデミックが広がる前の段階から、血中の酸素飽和度を測定するためのパルスオキシメーターの製造・販売を開始していました。

新型コロナウイルスが流行した第一波の時、供給不足になっていたパルスオキシメーターを厚生労働省からの依頼で2万台お取引しました。


タイミングが合って、全国の医療機関のお役に立つことが出来て良かったです。

現在の新規事業について

“女性を幸せにする”ことを目標にフェムテック産業(※)に参入しました。


フェムテックという言葉は、女性(Female)と技術(Technology)をかけ合わせた造語で、女性が抱える健康問題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことです。

ようやく厚生労働省や経済産業省の働きかけで日本にも普及し始めました。


弊社では第一弾として月経痛緩和の問題に取り組んでいます。


そのきっかけとなったのは留学生の女性でした。

日本では販売されていなかった低周波電流による月経痛緩和のデバイスを海外から取り寄せて使っているという話を聞き、商品開発に踏み切ることにしました。


理学診療用器具として厚生労働省から認可を取った日本初の商品として、「月経痛緩和デバイス  セラフィナF」(以下、「セラフィナF」と記載)という名称で販売しています。(医療機器認証番号:305AKBZ00088000)



女性の身体に対して優しいものを心がけており、薬やピルではない新たな月経痛緩和の選択肢として、低周波電流を流すことで感覚神経抵抗繊維を刺激し、鎮痛効果が期待できます。


未だに日本では男性が女性に月経関係の話をすると反感を買うことが多いですが、誰かが取り組まないと始まりません。


まだまだ認知度が低く、理解も得られにくいですが、敏感な企業からは女性従業員への福利厚生として導入に関する問い合わせが徐々に来ています。


近隣の大学や、一部の大手企業でトライアルを開始しています。



※フェムテック(Femtech)とは

Female(女性)とTechnology(技術)をかけ合わせた造語で、女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス。

ジャンルは、月経や不妊治療、出産、育児、子育て、婦人科系疾患、女性向けケアアイテム、セクシャル・ウェルネスに関わるものなど。

すべての人が健康で幸せな日々を送れるように解決策を提供するツールのこと。

今後の展望について

フェムテックの普及と発展に力を入れていく予定です。

社内では2名の従業員が日本フェムテック協会認定資格2級を取得し、イベントにも積極的に参加をして、女性の健康課題についての意見交換を行っています。


また、フェムテックの考えが浸透してくる中で、言葉遣いにも変化が生まれました。


以前は”女性も仕事を頑張れる”というコピーを使っていましたが、「痛みを和らげてまで女性を働かせる」という語弊を招く可能性があると考え、”女性を幸せにする”という言葉を使うようになりました。


痛みをとって、ストレスがなくなれば、自然と力を発揮することが出来て、仕事も出来るという発想です。


これからは「セラフィナF」の認知度を拡大するため、SNSや展示会に注力し、企業に福利厚生として商品の導入をしていきたいです。


企業から、女性従業員1人1人に対してデバイスを貸出する仕組みがあれば、職場環境は良くなり、満足度も上がると思います。




また、大きな目標として全国の学校に商品を常備していただき、月経痛により授業への影響がない環境作りも目指していきたいです。


大切にされていること

私は今まで人に恵まれたから、今ここにいられると思います。

だからこそ、他の人に少しずつでいいから助かるものを届けて、色んな人に対して出来ることをやってあげたいです。


今でも一番尊敬しているのは、新卒でお世話になり、独立を支援してくれた社長で、大切なことを沢山教えていただきました。


月経痛緩和デバイスは、弊社が日本で初めて開発したものですが、特許も取っておらず、独占するつもりはありません。


弊社だけの力ではもっと多くの方を助けることは難しいので、大手の医療機器メーカーさんにも参入していただき、ともに普及をしていきたいです。


一方、会社としては自分についてきてくれた従業員の人たちには幸せになって欲しいです。

みんなで力を合わせて、本当にこの小さい会社でしか出来ないことをして、商品が売れたらお給料も上げていけるように頑張っていきます。


求人情報

<仕事内容>医療機器の営業

<勤務地>東京都足立区谷在家徒歩5分

<給与>30~35万円

<勤務時間>9:00~17:00

<休日・休暇>土日祝

<求めている人材・スキル・資格>医療系営業経験やその他営業経験がある方、事務系経験やフェムテックに関する知識がある方

<応募方法>ハローワーク

インタビュー後記

「今まで人に恵まれてきたからこそ、自分も人に対して役に立っていきたい」という思いがとても伝わってくるインタビューでした。取材に行く前は、コロナ前にパルスオキシメーターの開発を進められていたり、時代に先駆けてフェムテックの分野に取り組んだりと、ビジネス感覚に優れた社長なのかとイメージしていましたが、あくまでそれは表面的な結果に過ぎず、本当に人の役に立つことを第一に行動されているのが分かりました。特に利益よりも商品の普及を優先されている点が印象的でした。

「セラフィナF」の実物を見せて頂いたのですが、500円玉2枚くらいの大きさと重さで想像以上に小さく、軽かったです。これであれば、服の下につけっぱなしで、外出したり、仕事をしたりすることも問題なさそうです。口コミが広がり始めれば、一気に日本でも普及する可能性を個人的には感じる商品だったので、なおさら大手の医療機器メーカーにも参入して欲しいという社長の言葉は驚きでした。これからもフェムテックの分野に注力し、新商品の開発も進んでいるということだったので、今後企業が成長し、社会的にも認知度が上がっていくことが楽しみです。

お問い合わせ

株式会社富士メディカルサービス

東京都足立区谷在家1-19-7 スカイコートイレブン

●メール:info@fuji-medicalservice.co.jp

●電話番号:03-6338-9687

●営業時間:平日9時〜12時、13時〜16時

●休 日:​土・日・祝日、GW、夏期、年末年始

HP:https://www.fuji-medicalservice.co.jp/

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Instagram:https://www.instagram.com/fujimedicalservice_/

*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。