身近な存在として

寄り添う心で

共に人生を歩みたい

PROFILE

わだ まさとし:33歳/中原区の障害者支援施設に勤務。生活支援員チーフ。

福祉大学卒業後、障害者支援施設(通所)に12年間勤務。次世代の職員の育成にも注力。

「衛生管理者第1種」勉強中。趣味は筋トレと旅行。


INTERVIEW

利用者さんと接する上で、大切にしていることはありますか?

障害者支援施設に勤務する中で一番大切にしていることは、現場での利用者さんとのコミュニケーションです。とくに知的障害のある方の場合は、表出している言葉や行動は心境のごく一部であることが多いため、さらに奥にある本当の気持ちを汲み取ることが重要になってきます。利用者さんの中には、自分の気持ちに我慢して、言葉に出せず、しんどくなってしまう方もいるんですよ。


「自分はこの人にきちんと寄り添うことができているのか?」と自問自答を繰り返し、悶々とすることもありますが、利用者さんの「やりたい気持ち」を実現していけるような環境が作れたときや、利用者さんに「ありがとう」と言葉をかけてもらったときは、自分の悩みもどこかへ吹き飛ぶような喜びを感じ、気分爽快になりますね。

身近な存在として寄り添い、その人と幸せを共有する。そして誰かの思い出になれることが、福祉の仕事を続ける原動力になっています。


12年間のキャリアの中で大変だったことはありますか?

実は、職場での人間関係が原因で一度だけ仕事を辞めたいと思ったことがあります。その時は施設長に状況を相談したことで解決したのですが、対人関係の業務がほとんどを占める福祉の現場で良好な人間関係を築くのは、今でもとても苦労する点ですね。職員同士で対話ができなくなってしまうと、それが利用者さんの生活に影響してしまうこともあるので、普段からコミュニケーションを多くしてお互いが話しやすい関係づくりを意識しています。

福祉の仕事には正確な答えがない業務が多いので、どうしても結果が見つかりにくいです。それが難しい点であり、同時にやりがいでもあると感じているのですが。業務で行き詰まったとき、私は趣味の筋トレでモヤモヤした気持ちを発散しています。どんな仕事をしていてもそうだと思いますが、やっぱりリフレッシュする時間は大切ですね!


そもそも、和田さんが福祉の仕事を志したきっかけは何だったのでしょうか?

福祉の仕事を意識したのは高校生のとき。幼いころから近居していた祖父が病気で体調を崩し、サポートが必要になったのがきっかけです。大好きな祖父が病気で時折辛い表情になるのを見て、「自分にできることは何だろう?」と考える時期が続きました。

会話をしたり一緒にテレビを観たりしながら、祖父と何気ない日常を共有すること。それが私が出した答えでした。本当に必要なサポートとは、特別に何かをしてあげることではなく、「その人に変わりなく寄り添うこと」だと、祖父と接する中で感じたからです。この思いが、福祉の仕事を志した原点になっていると思います。祖父と過ごした最期の時間は、一緒に高校野球の中継を観ていました。これは今でもずっと心に残る大切な思い出です。



利用者さんと近くの公園に外出するのも日々の業務。和田さんの声かけで利用者さんの感情が引き出され、楽しい時間が流れていく。




社会福祉法人川崎市社会福祉協議会

川崎市福祉人材バンク

TEL:

044-739-8726


※好評連載中!介護冊子「介護のシゴト」から抜粋