先日行われた、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥選手が日本人初の3団体統一に成功したというニュースは、本当に「すごい!!」の一言でしたよね。

 

相手となったのはWBC世界同級王者ノニト・ドネア選手と3本のベルトを懸けて拳を交える事になりました。結果は井上尚弥選手が2回1分24秒、TKO勝ちとなりました。19年11月、階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝以来、約2年7カ月ぶりの再戦を制したのでした。

 

ボクシングをはじめとする格闘技が大好きな私は、井上尚弥選手の試合は本当にワクワクしております。最近は地上波で放送されないことが多く、結果だけをネットで調べて「やっぱり強いなぁ」と思っては、すぐに頭の中では「この人はどこまで勝ち続けるのだろう?」という話題に切り替わってしまうのです。

 

そんな井上選手が必死に戦っている最中にとんでもない事件が起きていたことは、みなさんもニュースなどで見て知っていると思いますが、試合の最中に自宅が空き巣の被害にあったというニュースです。井上選手も「めでたい日に胸糞悪い話だよね、、、みんなも気を付けて」とツイートするなどファンの方々に注意喚起をしてはいましたが胸中は穏やかではないと思います。

 

この泥棒ですが、この日に世界タイトルマッチがあるという事は、確実に自宅には井上選手をはじめご家族は不在であろうと予想した上での犯行を計画したと思われます。聞いている我々からしても大変腹立たしい犯行ですよね。

 

今回、井上選手は間違いなく家族も会場に同行させて、試合に向かうであろうと、確実に井上選手の自宅は留守にしているだろうという事で犯行に及んだと思われます。泥棒からしたら「この家は確実に本日留守です!!」とメディアを通じて言っているようなものだったのかもしれません。

 

この話を聞いたときに、私は葬儀社で働いているときに、お客様によく言っていたなぁと思い出しました。それは、地域によってはご不幸があると自宅の玄関に「忌中」と書かれた紙を貼ることで故人様のご家族は「穢れを外に出さないように」と忌中紙を貼って家にこもっていたそうです。また、地域の方々に「このお家からご不幸があったよ」とお知らせするという意味合いもあったようです。

 

当時は、自宅葬が多かったのであまり気にならなかったのですが、セレモニーホールが各地に建設され、自宅葬が少なくなりセレモニーホールでのお葬式が増えていきましたが、自宅の玄関に「忌中」と書かれた紙を貼るという風習だけは続けていたのです。

 

また、地方によっては掲示板にこの地域に住まわれている方にご不幸があったことを掲示したり、地方紙に「おくやみ情報」を掲載してご丁寧に「故〇〇  〇様  (享年〇歳)〇〇市〇〇町  於  〇〇セレモニーホール」などと言ったかなり強めの個人情報を掲載することもあったのです。

 

このしきたりこそが、セレモニーホールでお葬式をあげる全盛の今では「この家にご不幸があったので今日明日と留守です」といっているようなものです。私も一度だけお通夜が終わった後に「空き巣の被害」にあったというご家族を担当したことがありました。ご家族からすると「こんな時にどうして?」と思うでしょう。本当に腹立たしいと思います。

 

セレモニーホールでのお葬式が増えだしてからは「空き巣にこの家は留守ですと伝えているようなもの」という理由で基本的には「忌中」の紙を玄関に貼る事や、地方紙に掲載したりなどは避けてもらっていたのですが、今回の井上選手の報道を見て思い出した次第です。

 

自分の大切な方をお見送りしている最中に空き巣の心配をしなくてはならないなんて非常に心苦しいです。今回の報道を教訓ではないですが、明日は我が身と思って、お葬式の担当者も改めてお客様にはお伝えして欲しいものです。

 

 

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著:一級葬祭ディレクター 小林大悟