
さいたま市西区に工房兼店舗を構える「ジュエリームナカタ」で、ジュエリー職人として指輪をはじめとするジュエリーの製作を行う棟方敬太さん。ジュエリー職人であるお父様の背中を見て育ち、大学に通いながら、修行を重ねたのち、20代半ばで家業に。現在は取締役として、オーダーメイドジュエリーの制作・販売を担う。4児の父として家庭との両立を大切にしている。
「一生ものだからこそこだわりたい

今の仕事を始めたきっかけを教えてください。
一番のきっかけは、父がジュエリー職人として家の中で仕事をしていたことです。幼い頃から仕事場の音を聞いて育ちましたが、危険もあるため作業場にはあまり入れてもらえませんでした。むしろ“見えなかった”からこそ、何をしているのだろうと自然と興味を持つようになったのかもしれません。高校生の頃には将来この道に進むことを決めていました。ただ、父から「まずは大学まで出てからでも遅くない」と勧められ、大学では経済を学びながら、週末などを使って技術を身につけていきました。
お店の特徴を教えてください。
一番の特徴は、フルオーダーメイドに特化している点です。ブライダルジュエリーを中心に、デザインや素材選びなどゼロからのご相談に対応しています。特にご依頼の多いのは結婚指輪で、「他の人と被らないものを作りたい」「一生ものだからこそこだわりたい」というお客様の声に応えることを大切にしています。私たちは、完成された既製品ではなく、思い出や想いを“かたち”にしていくお手伝いをさせていただいています。
お客様の想いを丁寧に聞くことが全てです。

仕事で大切にしていることを教えてください。
「お客様の想いを聞くこと」を何よりも大切にしています。ご来店時には、品物の仕様やデザインだけでなく、おふたりの出会いや思い出、指輪に込めたい願いなど、たくさんの会話を重ねます。そうすることで、お客様にとって本当に特別なジュエリーが出来上がると信じております。お客様との関係は、販売して終わりではなく、修理やメンテナンスも含めて一生のお付き合いだと考えています。
この仕事のどんなところが好きですか?
お客様が完成した指輪を手にした瞬間の笑顔を見るときです。ケースを開けたときの表情、指にはめたときの嬉しそうな様子、そうした瞬間に立ち会えることが何よりのやりがいです。また、自分の手で形作ったものが誰かの人生の大切な節目に関わっているということは、大きな責任
であると同時に、誇りでもあります。

今後やりたいこと等、展望を教えてください。
まずは「会社を継続すること」です。当たり前かもしれませんが、これが何よりも大切な目標です。結婚指輪や婚約指輪は、一生使い続けるものです。だからこそ、万が一壊れたときに「頼れる場所」があることが安心につながると考えています。また、最近では婚活支援にも力を入れています。埼玉県の婚活マッチングアプリと連携し、参加者向けに指輪作り体験のイベントを開催しています。ジュエリー店としての枠を超え、少しでも多くの方の“出会い”や“ご縁”に貢献できる存在でありたいと思っています。
インタビュー後記
お話を伺ってまず感じたのは、棟方さんの言葉の端々ににじむ「誠実さ」でした。「特別な瞬間に寄り添えることが嬉しい」と語るその表情は穏やかでありながら、芯の強さを感じさせます。ものづくりへの真摯な姿勢、そして何より“お客様との会話”を大切にされている姿に、この仕事がどれほど人とのつながりに支えられているのかを改めて実感しました。「会社を継続することが目標」と語る姿に、継続こそが最大のサービスであるという信念が垣間見えました。
お問い合わせ
ジュエリームナカタ
取締役 棟方 敬太
〒331-0069 埼玉県さいたま市西区湯木町2-11-2
TEL/FAX: 048-626-2531
Mail:info@jewelrymunakata.jp
WEB:https://jewelrymunakata.jp/
*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みましたとお伝え下さい。