
「お客様と二人で泣きながらネイルをすることもあるんです」 そう照れくさそうに笑うのは、先日法人化を果たしたばかりのSilk by nailsの代表、森由香里さんです。
北海道札幌市でネイリストとしてのキャリアをスタートさせ、35歳で単身東京へ。数々の壁を乗り起こしながらも、常に「人との縁」を大切にしてきた彼女が、今、従業員や故郷、そして両親へと向ける温かい想いを語ってくれました。
1. 夢の原点:絵の具で描いた爪と、両親への感謝
森さんがネイリストを志したのは16歳の時。家にある絵の具で自分の爪に絵を描いたところ、友人に褒められたことがきっかけでした。
その時の「自分にもできるかも」という純粋な喜びが、彼女をこの道へと導きました。
しかし、当時の地方ではネイリストという職業はまだ一般的ではなく、専門学校への進学を親に告げた際は心配もされたそうです。
それでも両親は、決して安くない学費を出し、彼女の夢を応援してくれました。「高い授業料を払って行かせてくれたのに、ならなかったら申し訳ない」。
その想いが、挫折しそうになった時の彼女を支える大きな柱となりました。
2. 35歳での決断:安定を捨て、憧れの東京へ
札幌で11年のキャリアを積んだ森さんに転機が訪れたのは35歳の時でした。遊びに来た東京で、高い技術を持つネイリストに出会い、「自分もここで挑戦したい」と突き動かされます。
周囲からは「1人でやっていけるのか」と反対の声もありましたが、彼女は自ら貯金し、面接の予定を立て、住む場所を探し、行動でその覚悟を示しました。
六本木ヒルズのサロンというハイレベルな環境でプレッシャーに押しつぶされそうになった時期もありましたが、その経験があったからこそ、今の「地に足のついた」経営観が養われました。
3. ネイルの枠を超えて:心に寄り添う「人生の伴走者」
森さんの施術は、単に爪を美しくするだけではありません。彼女が大切にしているのは、お客様の心のケアです。
「話し相手を求めて来る方も多い。悩みを話してスッキリして帰ってほしいんです」。
成人式で初めてネイルをした子が、数年後に結婚式のネイルを任せてくれる。そんな「人生の節目」に関わることができるのが、この仕事の醍醐味だと彼女は語ります。お客様と人生を共に歩む「伴走者」のような存在でありたい。その温かな眼差しが、多くのファンを惹きつけてみません。

4. 未来への約束:従業員の「幸せのロールモデル」を作る
今、森さんが最も力を入れているのは、従業員が自分らしく働ける環境作りです。 ネイリストという職業は離職率が高く、長期の休みが取りづらかったり、将来に不安を感じたりする人も少なくありません。
「ちゃんとネイリストを楽しみながら、充実した生活も送れる。そんなロールモデルを彼女たちに示したい」。 女性の自立を支援し、協力し合える環境を作ることで、従業員が自分の人生に誇りを持てるように。
それは、かつて自分が「独立」という夢を追いかけた時に感じた高揚感を、仲間にも共有したいという願いでもあります。
5. 故郷・札幌への想い:いつか、恩返しのために
多忙な毎日を送る森さんですが、心には常に故郷・札幌があります。「地元にも貢献したいし、サロンを出せば親に会える機会も増えるかな」。
自分を信じて送り出してくれた両親、そして育ててくれた地域への恩返し。彼女が描く未来の地図には、東京での挑戦の先に、温かい故郷への道がしっかりと刻まれています。

インタビュー後記
森由香里さんと話していると、その穏やかな語り口の中に、折れない芯の強さを感じます。それは、自分一人の成功ではなく、従業員やお客様、そして支えてくれた家族全員の幸せを願う「利他的な想い」から来る強さなのでしょう。
爪を彩ることは、人生を彩ること。森さんの挑戦は、これからも多くの人の心に温かな光を灯し続けます。
お問い合わせ
Silk by nails
東京都目黒区上目黒1-3-13 ラインハウス中目黒501
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*お電話相談の際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。