自殺したわけありの不動産を売却する時
(1年前の記事です) 掲載日:2023/05/28
父が半年前に家で自殺して、ようやく落ち着いたのですが相続をするに際して、実家を売る話をしたところ母は「お父さんが自殺したことは近所の誰もしらないから、黙って売ろう」と言ってます。
ばれたら何か罰金とかありますか?私はまずいような気がするのですが・・・。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

不動産の売却に際しては、情報開示の義務が存在します。
事実の隠蔽は違法であり信義則に違反します。特に、過去の自殺事件と関連している場合は、売買契約において重要な情報となる可能性があります。
一般的に、購入者は物件の状態や歴史について正確な情報を知る権利を有しています。事実を隠蔽したり歪曲したりすることは、購入者に損害を与える可能性があるため、法的責任を生じさせることがあります。
専門家である不動産業者に相談することをおすすめします。勿論弊所でも事故物件を専門に扱う業者をご紹介致しますので、具体的に適切なアドバイスを提供してくれるでしょう。
不動産売買では、売却前に重要事項説明書という書類を提出する必要があります。この書類には、物件に関する実情や問題点を正確に記載することが求められます。自殺が起きたこともその一部です。
このような情報を隠蔽して売買契約を締結した場合、購入者からの損害賠償請求や契約解除請求が生じる可能性があるため、注意が必要です。
また、後にそのような事件が発覚した場合、名誉毀損や不動産取引法違反などの社会的問題に発展する可能性もあります。
「自殺物件であることを黙って売却すればいいのでは?」と考えるかもしれませんが、心理的瑕疵を有する物件を売却する際には、その事実を伝える必要があります。
「心理的瑕疵を有する物件」とは、買主が心理的に不快感や不安を抱く可能性がある物件です。具体的な例としては、過去に自殺や他殺が起きた事故物件や、近くに墓地や火葬場などの嫌悪施設がある物件が該当します。
このような心理的瑕疵を有する物件では、買主が事前にその事実を知っていれば購入しなかった可能性があるため、「告知義務」という責任が課されます。告知義務を違反すると、買主とのトラブルだけでなく、損害賠償請求のリスクも生じるため、注意が必要です。
要点をまとめると、不動産の売買においては事実の隠蔽は違法であり、信義則に違反します。
自殺や他殺などの過去の事件が関連している場合、重要な事実となります。
購入者は物件の状態や歴史について正確な情報を知る権利を持ち、情報開示の義務があります。不動産業者に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。