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競売後の残債務の支払いで心配があります。
(2年前の記事です) 掲載日:2022/12/30
最近のことなのですが、父所有の不動産が競売落札されてしまいました。
娘である私が法テラスに出向き、一からやり直せるよう手続きについて相談に行ってきたのですが、父は昔からの職人気質の人で借りたものは必ず返す!と、私の意見に耳を傾けてくれません。
このままだと、強硬な姿勢で督促をしてきたり、給与を差し押さえられたりするのではないかと心配で仕方がありません。一般的に競売後の残債務について、金融機関はどのように回収をしてくるのでしょうか?わかりやすく教えていただければ幸いです。
※ 相談者のプライバシーに配慮し、実際の質問内容を一部改変して掲載している場合がございます。ご容赦ください。

競売後の残債務についてですが、大枠では債権者によって処理方針が異なります。
住宅金融支援機構や旧住宅金融公庫のケースでは、ご本人の生活状況を確認した上で、生活に支障がない程度の金額での分割弁済になる場合がほとんどです。
その他の民間金融機関などでも上記のように分割弁済で対応していただけると思いますが、そもそも金銭に換価できるような資産でも持っていない限りは、強硬な姿勢で回収などをしてくることはありません。
競売後の残債務のような「無担保債権」は回収に困難を極め、催促しても経費が嵩むばかりのため「ポンカス債権」と「カス」呼ばわりされています。この「ポンカス債権」は、まるで不運にも、もらい事故にあった後の事後処理のように淡々と処理をされていきます。そんなことから、回収担当者はいくらかでも回収ができるのであれば御の字とまで考えているようです。
また債権者が、お父様の給与を差し押さえようにも所得が少ないようであれば、差押えられる給与の範囲は僅かなことから、回収のために債権者が給与を差押えることは、合理的ではありません。
金融機関には自己資本比率の規制や税務上の損金計上のタイミングなどがあることから残債務をサービサー(債権回収会社)に「債権譲渡」することで不良債権を処理する方法が一般的です。
いずれにせよ、必要以上ににこちらから歩み寄らなくても、債権者の都合で合理的に処理をしていきます。
「無担保債権」の回収業務は時間と労力の無駄ですので、強行的な回収に脅かされることは無いと思いますが、債権額や競売にかかるまでの経緯などによっては、それ相応の回収業務をしてくる場合もあると思います。
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