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日本では、お金を不浄のものとみなして、教育の現場で触れずに来たといわれています。


みなさんも、お金に対する様々な知識、

自信ありますか?


自己責任が叫ばれる時代、人生の夢をつかみ、生活を守るためのお金の知識は今まで以上に重要です。それを老若男女のみなさんに学んでいただくための機会を提供するため、金融知力普及協会は活動しています。

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こんにちは。暑くなってきましたね。外で飲むビールがおいしい季節になってまいりました。


この記事が掲載されるのは何時頃でしょうか、もう都知事選挙も終わってから大分過ぎたころですかね?そろそろ衆議院の解散のうわさが飛び交ってる頃でしょうか?ところで最近、変な候補が増えた気がしませんか?


いやまあ、昔からいろんな変な人が立候補してますが、なにを目的にこの人たちは絶対当選するはずのない選挙にでようと思ってるんだろう?と思う方もいらっしゃると思います。これを経済的な観点から解き明かしてみたいと思います。


「全員から好かれるのは無理!」って言葉、聞いたことありますよね。どんなに人に好かれようと努力しても全員から好かれるのは不可能です。人の好みは多種多様で、様々な視点で好きなところ嫌いなところを見つけてしまうからです。完全無欠ないい人がいたとして、完全無欠ないい人なんて嫌い!って人が必ずいます。


これは逆の視点からでもそうで、全員から嫌われるのも同じように不可能です。あなたが100人のうち95人から蛇蝎の如く嫌われるとしても、4人は何とも思わなくて1人は熱烈なファンになったりするものです。この1人の熱烈なファンを探すために、あの人たちは選挙に出るんですね。


インターネットの無かった時代は、熱烈なファンになってもらってもそこからの展開があまりありませんでした。例えば広い東京で1万人のファンがいたとして、その人たちとつながる手段はあまりありません。ですので、強烈な使命感というか、本人が持ってるメッセージを伝えること自体が目的になります。言ってる内容はかなり変でも本人はいたって真面目、というパターンが多かったと思います。


ところがインターネットが発達して、つながりを作りやすくなり、マネタイズの手段も多様になります。(マネタイズって言葉は覚えておきましょう。簡単に言うと利益を得ることです。)例えば好きなアニメのキャラクターのコスプレの選挙ポスターを見た!気になってその名前でグーグル検索をしたらYOUTUBEのチャンネルを持ってたので、チャンネル登録しておいた。って流れは、そこまで変ではないと思います。そういう人が1万人も居れば、もう立派なビジネスになります。1万人ってなかなかハードル高そうですが、東京都の人口は約900万人です。100人に一人どころか、900人に一人でも全然オッケーなんですね。



例えば河原で拾った石ころを売る店を作ったとしましょう。月に30人のお客がいればなんとか食べていけるとします。100人の村の中では当然やっていけませんね。都会に出てきて、人通りの多い路面に店を構えても難しいと思います。ところがインターネットで世界中の石ころコレクターとつながることができれば、もしかしたら月に30人のお客さんは見つける可能性が有るかもしれません。「変な候補」がやってるのは、この石ころコレクターを探す行為なんです。


もちろん人としての尊厳というか、真人間としての評判とかはだいぶ犠牲にしてしまいますが、それをかなぐり捨てれば、お金になる時代になってしまったんです。ですので、最近の「変な候補」は過激であればあるほど、お金につながる!当選とかどうでもいい。といった人が増えているんでしょう。


自由民主主義の原点として、候補者の言論の自由は最大限確保されなければいけません。政見放送や選挙ポスターをつまらない自分のビジネスに使うのはこの理念を踏みにじるような行為だと思いますが、ただ軽蔑して投票しない、という事しかできません。インターネットの発展が、こんな影響を及ぼすなんて、だれも思わなかったでしょうね。



著:鈴木 達郎


講師略歴

鈴木  達郎(すずき  たつろう)


プロフィール

1975年  兵庫県生まれ  いて座  A型

1997年  上智大学比較文化学部卒。

外資系経営コンサルティング会社、ネット広告代理店などを経て、

2005年  金融知力普及協会へ参画。

2007年4月より同協会事務局長。

全国40以上の地方銀行が実施する「全国高校生金融経済クイズ選手権エコノミクス甲子園」やハートフォード生命保険とのコラボレーションで作成した「二つのお財布で考えるセカンドライフのお金ワークブック」、カードゲームで経済を学ぶ「経済TCGエコノミカ」など企画・実現。

沖縄県金融人材育成事業にて中高生向けの金融経済教育の授業を企画・実施。

2010年  野中ともよ(ジャーナリスト)との共著で「8歳からのお給料袋」執筆・出版。

2016年  絵本「おかねなんていらな~い?」をポプラ社より出版。


特定非営利活動法人  金融知力普及協会 理事 事務局長

NPO法人金融知力インストラクター。