まちの仕事人インタビュー
苦労した時期を乗り越え、世界で活躍できるメイクアップアーティストへ
株式会社 美容家集団MEDSA 代表 山咲 サトル (やまざき さとる) さん インタビュー


職歴・経歴:ヘアメイク修行のため、お金も家も全てて捨てて大手ヘアメイク会社に勤め、その実力と自信を元にフリーのメイクアップアーティスト、メイク講師として活躍。その後も単身で世界に飛び立ちキャリアを積み、自分の美容に対する想いをカタチにするため日本で株式会社美容家集団MEDUSAを設立。多数の世界で活躍できるメイクアップアーティストをサポートし束ねている。

美容業界に入った経緯を教えてください 

私は高校卒業した後、29回の転職を繰り返していろんな仕事を転々としていました。どの仕事も魅力的だったんですけど、若い時の自分にとってはその仕事の20年先の未来が見えまして…。そこでどれも違うなと感じて3ヶ月でどれも辞めてしまいました。 

色んな仕事をやり尽くして、周りからは「だらしない」というイメージがついていましたね。ただ、その後広告モデルからスカウトがありまして、その業界に飛び込んだ時に初めて「これは未来が見えない」と感じました。モデルの業界は面白い。ただ、年を取っても続けるのは難しい。そこで気づいたのが、モデル業界と密接に関わりのある仕事に就こうと思いました。カメラマン、照明など色々な専門学校を見学し、最後にたどり着いたのがメイクアップで「この業界なら世界も目指していける」と感じてヘアメイクの専門学校に通い始めたのがキッカケです。 


ホームレスの経験は本当ですか? 

はい。5年間は多摩川の河川敷で寝泊まりしていました。 

専門学校卒業後、どうしても入りたいヘアメイクの大手があったんですよね。 

でも、当時24歳だった私はすでに年齢的に遅すぎると言われ門前払いされてしまいました。 

どうしてもその大手で学びたかったので「給料はいらないのでここで学ばせてください!」と土下座して懇願したら「見上げた根性だ。いつ来ても、いつ帰ってもいいよ」と言われました。 

そこから、一流の仕事現場で学ぶことは出来ました。でもお金は一銭も入ってこないのでホームレスになってしまいました。河川敷にはすでに先住の方がいて、家の作り方を教えてもらったり、風呂は入れないので頭を坊主にして夜に行水してやり過ごしてました。でも、ここまで夢中になれる仕事というのはとても楽しかったですね。頑張ったら頑張っただけ自分が変わる仕事なので「今は貧乏でも仕事を覚えたらお金持ちになる」と段ボールで寝ながら考えていました。 


美容家集団MEDUSA設立へのターニングポイントを教えてください 

無給で勤めた大手ヘアメイク会社を5年間で退職しまして、実家に一度帰ったんですね。 

そこで5年ぶりに布団で寝まして、やっと心の余裕が生まれたんですね。5年間で実力もついて自信も持てて、あとは営業するだけとなりました。 

大手に勤めた経歴も買って頂いて、初めてメイクアップアーティストとしてフリーランス契約させていただいた時は、十分に食べていける金額でした。 

また、契約は月に15日間だったので、残りの15日は美容学校さんやメイクスクールでメイク講師をしていました。バリバリに働いていてお金もあって、とても充実して脂が乗っている期間でしたね。 

ただ31の時に「どうしても世界でのキャリアが積みたい」と考えまして、その稼げるようになった仕事を全て捨てて韓国に単身で行きました。 

「お金を稼ぐのは何歳になっても出来るけど、世界に行くなら今のタイミングしかない」と、当時は思ったんですね。人脈もなく、韓国語も出来ないので、自分のやりたいことをハングル文字に翻訳したメモ用紙1枚だけを持って韓国に乗り込みました。 

その4年後日本に帰国しまして「自分は世界でもちゃんと通用する」という、喜びと自信がかなりつきました。 

このタイミングで今の会社、株式会社美容家集団MEDUSAを設立しました。2004年のことですね。 



今の仕事のやりがいを教えてください 

今は自分の力で業界を変えていくことに、やりがいを感じています。 

色んな業界に美容家集団MEDUSAとして関わることで、美容以外の業界にも認められ、影響を与えられている実感があります。 

またMEDUSAは登録制のヘアメイク事務所で今も25名のアーティストを抱えています。今の時代、美容師になる人は沢山いるんですが、ヘアメイクはその影に隠れてしまっていて成り方もあまり知られていないのが現状なんですね。美容の専門学生さん、OBの方がちゃんと活躍するキッカケとして、私の会社がサポートして支えられてあげれればなと思っています。 

インタビュー後記

ホームレスから世界へ飛び立つ波瀾万丈な人生を送っている山咲サトルさん。しかし伝わってくるのは、苦労したという想いよりも、とにかく夢中で楽しくすごしていたという想いの方が強かったです。それだけ美容に真っ直ぐ突き進む山咲さんから伝わるオーラはすごかったです。若い学生さんやアーティストさんたちをサポートしていく美容家集団MEDUSAの理念やビジョンも素晴らしく、今後業界がどのように変わっていくのかとても楽しみです! 

お問い合わせ

株式会社美容家集団MEDUSA

横浜市青葉区荏田町1476-1カーサビラ5K

Mail:

medusa-group@yahoo.ne.jp


*お問い合わせの際、『区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。