まちの仕事人インタビュー
予防法務で問題を未然に防ぐ
弁護士法人えそら 代表弁護士 鹿野 舞 (かの まい) さん インタビュー

1987年東京生まれ。早稲田大学卒業後、上智大学法科大学院に進学。卒業と共に司法試験に合格し、大手弁護士事務所へ就職。2018年、上司が立ち上げた弁護士事務所へ代表弁護士として参画。2020年、『弁護士法人えそら』を設立。趣味はラジオ、ヨガ、編み物。

依頼者の想いを信じる

弁護士を目指したきっかけは?

小学校のときに、担任の先生から「そんなに良くしゃべるなら弁護士になったら?」と言われたことで、この仕事を意識するようになりました。当時は本当に目立ちたがりで、授業中に手を上げるときも「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」と、つい余計に声を出してしまうような小学生でした。それからは、弁護士の活躍するテレビドラマを見ては仕事への想像を膨らせるようになり、天海祐希さん主演の『離婚弁護士』を見た時に、「カッコイイ!!!私も天海祐希さん(弁護士)になりたい!!!」と自分の進む道に確信を持ちました。

事務所設立までの経緯を教えてください。

大学院卒業時に司法試験に合格し、全国に複数の支店を持つ交通事故を専門に取り扱う大手弁護士事務所へ就職しました。事務所唯一の女性弁護士となり「いよいよ天海さんになれる!」と意気込み、格好や話し方などを寄せていた時期もあったのですが、そもそもキャラクターが違うということもあり半年で挫折し、天海さんのスタイルを追うのはやめましたね(笑)。その後、私の配属された支店の支店長が、他の弁護士と共に独立すると聞き、一緒に弁護士事務所を立ち上げました。その後、企業法務や予防法務など、自分の中で注力したい分野が出てきたため、改めて今の法律事務所を立ち上げました。社名の『えそら』は、絵空事(描いた絵があまりに美しく現実離れしていること)にちなんでいます。依頼者の想い(えそら)の力を信じる法律事務所です。

事務所の特徴はどのような点にありますか?

企業法務を多く扱っており、中でも“予防法務”に力を入れています。企業からのご相談の中には、事前に法律相談を受けていれば、そもそも問題が発生しなかったという案件が少なくありません。特に『契約書』に関するものは、契約締結前にご相談いただくことで、かなりのリスクを取り除くことができると考えています。中小企業や個人事業主にとっては、ひとつのトラブルによる損害賠償が致命傷になってしまうこともあります。そこで当事務所では、問題が大きくなってから動き出すのではなく、問題が小さいうちに解決に向かうように働きかけたり、問題の発生を未然に防ぐためのアドバイスに力を注いでいます。相談してもらいやすい環境をつくるための取り組みとして、月額9,800円(税込)~のサブスク型顧問契約『えそらプラン』をご用意しています。安さの理由は、法律相談を対面ではなくLINEやSlackといったSNSで行うスタイルにあります。これまでの一般的な法律相談では、ちょっとした内容でも数週間先のアポを取っていただく必要がありました。そのため、せっかく顧問契約をしていても、タイムリーに弁護士に相談できないという問題がありました。SNSであれば、気になったことが浮かんだ瞬間に、その場で質問していただけますし、私たちも裁判と裁判の間などのスキマ時間を有効活用し、原則当日、遅くとも翌営業日までには必ず返信するようにしています。また、SNSでのやり取りは必ず文字で残るため、伝え漏れや聞き間違いがなく安心と好評です。

契約は問題を未然に防ぐための手段

ご相談にはどんな方が多いですか?

中小企業や個人事業主の方からのご相談が多いですね。同世代の経営者から、高齢の経営者まで、幅広い年齢層の方に受け入れていただいています。最近のご相談では『業務委託契約書』に関するものも増えています。ビジネスの細分化に伴い、業務委託契約書を取り交わすことが増えていますが、業務委託契約書に『委任型』と『請負型』の2つの種類があることはあまり知られていません。「ネットからそれっぽい雛型をダウンロードして使ってるよ」という方は要注意です。間違ったものを使っていた場合、問題が発生したときに想定していなかった賠償責任を負う可能性があります。契約書は問題を未然に防ぐための大切な手段の1つです。何か大きな契約を取り交わす際は、是非事前にご相談ください。

仕事をするうえで心がけていることは何ですか?

弁護士は難しい話をすると思われがちなので、お話をするときは、理解がしやすいように “法律用語を使わない”ことを意識しています。また、法律相談を身近に感じていただくために、週に1回、30分のインスタライブを行い、事前にいただいている質問に応える形で、私たちの活動について配信しています。これからも、中小企業や依頼者の力になれるよう頑張っていきます。

インタビュー後記

インタビュー中も法律用語はほとんど出てくることがなく、常に分かりやすい言葉を選ばれていた鹿野弁護士。知識と経験に加えて、SNSを活用してタイムリーに相談できる環境があることは、依頼者にとっては本当にありがたいと思った。「キャラクターが違い、(弁護士役の)天海祐希さんにはなれなかった」と話していたが、その自信に溢れ颯爽と歩く後ろ姿からは、天海さんの雰囲気を感じた。「特にまだ問題が起きていないから大丈夫」と考える経営者や個人事業主の方は、鹿野弁護士に相談することで、今から『法的に問題が起こりにくい状況を作る』という選択肢を持つことをお薦めしたい。

お問い合わせ

名称:弁護士法人えそら

所在地:東京都千代田区神田鍛冶町3-3-9喜助新千代田ビル7階72 

連絡先:03-4233-0796

HP:https://esola-law.or.jp

HP:https://顧問弁護士.jp

HP:https://business-law.sakura.ne.jp

*お電話相談の際、『千代田区民ニュース』の記事を読みました。とお伝え下さい。