「終活」という言葉が世の中に出始めてからどのくらい経ったでしょうか?気になったので今更ですが調べてみました。実は、2009年に「週刊朝日」から生み出された言葉だそうで、2010年には新語・流行語大賞にノミネートされたのです。意外にも10年以上は経っている言葉なのですね。

 

「終活」の意味をネットで調べてみると、「人生の終わりのための活動」の略で、人間が自らの死を意識して、人生の最後を迎えるにための様々な準備や、そこに向けた人生の総括を意味する言葉と書かれておりました。

 

葬儀屋さんを筆頭に「終活」という言葉を利用して営業活動をする企業も多く見受けられました。高齢者を対象にセミナーなども開催されましたが、正直、「人生の終わりのための活動」というネガティブな感じの意味合いのせいで、多くの方から活動に積極的になれないという意見が多く聞こえてきました。

 

それでも、いずれ「終活」をしなくてはならないと考えている方がほとんどでした。その理由として、日本では少子高齢化が進んでおり、国としても何か考えないといけないという思いはあると思われます。おそらく「終活」という言葉を上手に利用して、高齢者の背中を押して「なんとか考えて欲しい」とやってきた自治体も多いと思われます。

 

それだけ日本の高齢化は深刻で、単純に高齢化社会とは呼ばず「超高齢社会」という段階だそうです。これはどういう事かと言いますと、65歳以上の割合が人口の21%を超えた社会を超高齢社会と呼ぶそうです。実は、日本では2010年に65歳以上の割合が人口の23%を超えましたので「超高齢社会」となるのです。

 

ちなみにですが、65歳以上の方が人口の7%を超えると「高齢化社会」というカテゴリになり、14%を超えると「高齢社会」というそうです。そして、21%を超えてくると「超高齢社会」となるそうです。

 

日本は1970年に7%を超えて、1994年に14%を超えたそうです。実に24年で上のステージになる「高齢社会」になったというのは、世界に類をみないスピードなのだそうです。ヨーロッパではドイツやイギリスも40年かかっているのに対して、日本は24年でそのステージに到達したというのはいかに早かったのかがお分かりになると思います。

 

これは、医療制度の充実や日本はインフラが整っており、清潔に保たれているものが多いので、健康を害することも少ないというのが長寿国になっていった理由だと思われます。コロナ前あたりから70代の方のお葬式よりは、90代の方のお葬式の割合が増えております。

 

昔は100歳を超えた方のお葬式は本当に珍しかったので、「ご長寿のお祝い」というような意味を込めてお葬式をされていた事もあると聞いたことがありますが、今では100歳を超えた方のお葬式は珍しくなくなりましたし、むしろ「友人は他界しているから」という理由付けをされて、簡素にお葬式をされる方が増えました。

 

このように、ご長寿だからお祝いというような考え方はどこかに消えてしまい「ご長寿が当たり前」のようになってしまったので、年齢を重ねれば重ねるほどお葬式に参列する方が少ないというのが現実なのです。

 

とある調査で「終活を行う必要性を感じますか?」というアンケートに実に84%の方が必要であると答えているのですが、必要と解答した世代のトップがなんと30代で次いで40代、そして20代という結果になり、驚いたのが50代よりも20代が必要性を感じているという結果になりました。

 

そして、意外にも60代、70代が必要だと答えた方が少なかったのが印象的でした。おそらく、必要だとは思っているのでしょうが、「今すぐではない」という事なのでしょう。

 

私も含めて、相続関連のお仕事をしている方、葬儀社や石材店に勤務している方など口をそろえてお話ししてくれるのが、「終活をするけど今すぐではない」と言っている方は結局しないで、遺された方がお困りになるケース、揉めてしまうケースばかりです。

 

先日も司法書士の先生が「この方は絶対遺言書を書いておいた方がよいのに!!」と強い口調で言っていたお客様がいました。しかし、そんなお客様に限って、笑いながら「まだ、大丈夫でしょ?」と言われる事が多いようです。年齢を重ねてくると「今ではない」という思いが勝って終活を意外としないというお話でした。

 

 

こちらのブログをご覧のお葬式のご相談をご希望されている方は、メールにてお葬式の事前相談を実施しております。あなたがもしもの時に慌てない為にも是非ご活用ください。d.kobayashi.sousaidr1@gmail.com (1級葬祭ディレクター  小林大悟  相談メール)

 

 


著:一級葬祭ディレクター 小林大悟